韓国女子ゴルフツアー再開 アン・ソンジュ「無事に終われた」厳戒4日間


第3ラウンドでプレーするアン・ソンジュ(KLPGA提供)

第3ラウンドでプレーするアン・ソンジュ(KLPGA提供)

 世界主要ツアー最速で再開した韓国メジャー、女子プロゴルフ選手権(楊州市・レイクウッドCC)に出場したアン・ソンジュ(32)=モスバーガー=が17日、テレビ会議アプリ「Zoom」で合同取材に応じた。16日に通算2オーバーの77位となり、この日の最終日に進めなかったが、徹底した新型コロナウイルス感染防止策のもと、無観客ながらもプレーできる喜びを実感。主戦場とする日本ツアーの早期開幕を願った。

 世界中が注目した開幕戦を3日間で終えたアンは流ちょうな日本語で現場の空気を語った。「無観客は韓国の下部ツアー以来で慣れなかった。試合というよりみんな仲良く、練習ラウンドっていうのはおかしいけど、そういう雰囲気だった」

 できる限りの感染防止策が実施された。選手やキャディーは問診票を提出。駐車場からクラブハウス入場時にサーモグラフィーによる検温があり、37度以上の人は入室が許されない。入場は選手、キャディー、協会関係者に限られ、通常出入りするコーチ、トレーナー、マネジャー、家族はシャットアウト。室内では消毒、マスク着用が徹底された。「ここまでするんだ」と驚きながら「厳しくやっていたので無事に終われたのでは。みんなが(防止策を)守っていた」と冷静だった。

 同じく3日目までプレーした親友のイ・ボミ(31)と会場で再会した際には、思わずハグしてしまったというが、プレー中はハイタッチの自粛や、報道陣による取材も2メートル以上の間隔を空けた上で屋外で行われた。「選手のために、こんなにやってくれてありがたい。試合をやれてうれしい」と感謝した。

 日本ツアーの開幕は、最短で6月のアース・モンダミンカップ(25~28日、千葉・カメリアヒルズCC)。通算28勝のアンは「目標は(30勝達成で得られる)永久シードだけど、結果より元気にプレーする姿を見せたい。日本の開催が決まったら早めに行きたい。メインは日本なので」と力を込めた。

 開催に向けては賛否両論がある中、世界に先駆けて“前例”を示したことは確か。アンは「この前、韓国のクラブでもコロナが出たので心配していた」とも話した。一方で「毎回(対策を)やっていただけるなら、ファンの方はテレビを見て応援したり、そういう感じもいいんじゃないか」と、無観客での開催に前向きな見方を示した。(岩原 正幸)

 ◆アン・ソンジュ 1987年8月31日、韓国・広州市生まれ。32歳。小学6年からゴルフを始め、数々のアマタイトルを獲得し、ナショナルチームでも活躍。2005年にプロ転向し、07年には韓国女子オープンで優勝。10年から日本ツアーに参戦し、10、11、14、18年と4度賞金女王に輝く。14年末にコーチのキム・ソンホさんと結婚。日本通算28勝。160センチ、68キロ。

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