米男子プロゴルフツアーを主戦場とする松山英樹(28)=LEXUS=が28日、米ツアー出場に向け渡米した。コロナ禍にある米国での試合に向け「不安もある」としながら、「国内外のファンの皆様にいいニュースが届けられるよう、頑張りたい」と出国時では異例となるコメントを発表。ツアーは6月11日のチャールズ・シュワブ・チャレンジから再開予定だが、到着後2週間は自主隔離期間となるため、出場は最速で18日開幕のRBCヘリテージからとみられる。
松山が米ツアー出場へ決意の出国だ。マネジメント事務所はこの日、「PGA(米)ツアー参戦による渡米について」という書面をリリースした。通常の帰国・出発時に談話を出すことはないが、新型コロナウイルス禍で以下のようにメッセージを届けた。
まずは「PGAツアーのシーズン中断を受け、3月から日本国内で過ごしていました。シーズンが再スタートすることを受け、米国での調整を再開することに致しました。現地での自主隔離をはじめ、現状では生活面においても不透明なことも多く、不安もありますが、試合に向けた万全の準備を整えたいと思います」と報告した。
続けて「日々、新型コロナウイルスと闘ってくださっている医療従事者の皆様をはじめ、多くの方々に感謝致します。プロゴルファーとして、感染防止に努めながら、国内外のファンの皆様にいいニュースが届けられるよう、頑張りたいと思います」とつづった。
松山は3月12日のプレーヤーズ選手権第1ラウンドで、9アンダーの暫定首位発進をしながら、試合は中止に。17年8月のブリヂストン招待以来のツアー6勝目が幻となっていた。その後は一時帰国し、自主隔離、自宅待機を経て、感染対策に細心の注意を払い、練習に取り組んできた。
次戦は「今後の状況を見極めて慎重に検討する」(事務所)としているが、米国到着後2週間の自主隔離を考慮すると、出場は6月18日開幕のRBCヘリテージ以降となる。同11日に再開予定の米ツアーは4戦を無観客で行う。米国内では約170万人の感染者が出ており、ツアー側が示した指針によれば、選手、キャディーらは問診票提出、検温、ウイルス検査など対策が徹底された中でのプレーとなる。(岩原 正幸)
◆松山の19―20シーズン
米7季目の今季、トップ10が4度ある。最高位は米ツアーで日本初開催となったZOZOチャンピオンシップ(昨年10月、千葉)でタイガー・ウッズ(米国)に続く2位。ポイントランクは10位につけ、世界ランクは凍結前の3月15日時点で日本勢トップの22位となっている。
◆米男子ツアー再開に向けた指針の主な項目
▼選手、キャディー、大会関係者は移動前にウイルス検査を求められる。大会開催地へ到着後も、質問票、検温、鼻こうテストの3段階で実施される。陽性者は最低10日、症状が消えるか、少なくとも2回陰性結果が出るまで隔離される。ツアーと大会は隔離期間のサポートを提供する。
▼ツアー再開後4試合は無観客で開催。プロアマも中止。
▼選手の家族も現場に来ることが許されず、コーチまたは通訳の限定されたスタッフしか帯同できない。クラブハウス入場は検査でクリアになった者に限る。
▼報道陣も制限され、1対1の取材はなし。指定のエリアで全て社会的距離を保った上で行う。