国内女子プロゴルフツアー今季初戦のアース・モンダミンカップは25日から4日間、千葉・カメリアヒルズCC(6622ヤード、パー72)で、観客も報道陣も入れない非公開試合で開催される。昨年のAIG全英女子オープン覇者・渋野日向子(21)=サントリー=は23日、9ホールの練習ラウンドで調整した。2年前にホールインワンした思い出の9番パー3(189ヤード)では池ポチャする場面もあったが、「上位を目指す」と昨年全英切符をつかんだ舞台で今年も大暴れする。
サングラス姿の渋野は、同組の笠りつ子(32)、木戸愛(30)らと一定の距離を保ち、9ホールを楽しそうに回った。グリーン周りからアプローチを入念に確かめた。オンライン会見では「久しぶりでテンションが上がった。楽しみな気持ちと緊張があります」と表情を緩ませた。同学年の大里桃子(21)とは「肘だけ出しました」と“新様式”のあいさつで再会を喜んだ。
前日(22日)に行ったトレーニングによる筋肉痛が残るという中、迎えた9番。昨年改修された難関ホールで2球放ったが、1球はグリーン右手前の池につかまった。「へなちょこでした…。状態は15%。筋肉痛で飛距離も全然出ない」と苦笑した。それでも「池の圧迫感がすごくて、4日間で2回は入ると思う。練習で入れておけば(本番は)気をつけるかな。少し楽になった」と前向きに捉えた。
レギュラーツアー初出場となった18年大会は、初日に9番でホールインワンを達成し、賞金600万円をゲットした。昨年大会は初日に9番で池ポチャのダブルボギーから巻き返して、4位フィニッシュ。賞金ランク3位で全英切符を獲得し、メジャー優勝の快挙につなげた。「思い出深い試合。ここから2020年が始まる。この2年よりいい状態なので、もっと上位を目指したい」と意気込んだ。
昨年大会の週の火曜日は、東京ドームで大好きなソフトボールの日本代表戦を観戦した。「1年で変わった? 変わりすぎですよ~」と、自身の活躍で激変した周囲の環境をしみじみ語った。今大会の予選(25、26日)では、ベテランの横峯さくら(34)=エプソン=、新人の西村優菜(19)=フリー=と回る。青木翔コーチ(37)から「思い切っていけ」と送り出された渋野は「予選を通過したら、思い切り頑張ります」と気合を入れた。昨年最終戦(12月1日)のLPGAツアー選手権リコー杯(2位)以来、207日ぶりの待ちに待った開幕へ、前だけを見つめた。(岩原 正幸)