日本に女子ゴルフが戻ってくる―。国内女子プロゴルフツアー今季初戦のアース・モンダミンカップは25日から4日間、千葉・カメリアヒルズCC(6622ヤード、パー72)で観客も報道陣も入れない非公開試合で開催される。昨年のAIG全英女子オープン覇者の渋野日向子(21)=サントリー=は24日、新型コロナウイルス感染拡大で約3か月遅れた開幕戦へ、「みんなで盛り上げられたら」と意欲を示した。
ようやくツアーに“しぶこスマイル”が戻ってくる。渋野は207日ぶりの実戦となる今季開幕戦に向け、この日午前に10番から9ホールの練習ラウンド。「調子も上がっている。無観客だけど、みんなで盛り上げられたら」。オフに重点的に取り組んだアプローチを真剣な表情で確認する一方、18番グリーンでは近くの16番にいた成田美寿々(27)らに手を振ってあいさつするなどスマイル全開だ。
来夏には東京五輪も控え、目標の「世界一」に向けたシーズンが幕を開ける。予選は国内通算23勝の横峯さくら(34)とルーキーの西村優菜(19)と同組に入った。横峯とは昨年3月に渋野が初のトップ10入り(6位)を果たしたヨコハマタイヤPRGRレディス第2日以来。「見た瞬間、さくらさんと回れると。久しぶりなので楽しみな気持ちでいっぱい。西村さんはプロとして初の試合。先輩として(手本を)見せないとな」と豪快に笑った。
長いオフは昨年11月から専属契約を結ぶ斎藤大介トレーナー(34)と“世界トップ”の質の高いトレーニングに励んだ。渋野は斎藤氏が以前担当した元世界ランク1位のリディア・コ(ニュージーランド)ら世界トップ選手の調整法について自ら尋ねたり、コと同じメニューをこなした。動画を見比べ、「こういう動きをできるように」と目標にしてきた。斎藤氏は「最近は(動きが)良くなっていて、見せる動画がない」と成長を実感。体の使い方を理解し、パワーもついた。昨季ドライバー平均248・21ヤードの飛距離は10ヤード伸びたという。
23日の練習ラウンド後の会見ではトレーニングの影響で筋肉痛だったといい「(ショットが)へなちょこでした。(仕上がりは)15%」と笑いながら明かした。この日、「16%くらいに上がったか」と聞かれ、「はい。筋肉痛も取れてきて。ちょっと上がりました」と“しぶこ節”で答えた。18年にホールインワン、19年には全英切符をゲットした“何かが起こる”大会から元気を届ける。(宮下 京香)