◆米男子プロゴルフツアー 今季メジャー初戦 全米プロ選手権第1日(6日、米カリフォルニア州TPCハーディングパーク=7234ヤード、パー70)
8年連続出場の松山英樹(28)=LEXUS=はティーショットが不調の中、2バーディー、2ボギーのイーブンパー、70と粘り、首位と5打差の48位発進。日本男子初のメジャー制覇へ追い上げる。5年ぶりメジャー出場の石川遼(28)=カシオ=は2バーディー、4ボギーの2オーバー、72で90位と出遅れた。タイガー・ウッズ(44)=米国=は2アンダー、68で20位。5アンダー、65のジェーソン・デー(32)=オーストラリア=ら2人が首位。
19歳で初出場してから30戦目のメジャーの舞台。悲願の初制覇へ意欲を燃やす松山は、ティーショットの不調をしのぎ、粘りの滑り出しを見せた。首位と5打差の48位と食らいつき、「チャンスがない中、イーブンで終われたのは本当に良かった」と胸をなで下ろした。
6月のツアー再開後は20位台が3度と比較的好調だったが、この日はフェアウェーを捉えたのは終盤の15番が初めて。パー3を除く14ホール中3ホールだけと、同キープ率21・43%と低迷した。5番は大きく右にそれ、第2打を木に当てるなどしてボギーとなった。バンカーにつかまった8番も2メートルのパーパットを決められない。ただ、ボギーをこの2つだけにとどめた。1打目の乱れを補うのに懸命な展開だったが、3、13番の2つのチップインバーディーでオーバーパーを免れた。
ティーショットが荒れたことに「簡単に言えば力み」と分析した。ただでさえ厳しい設定のメジャー。これまで29度の出場で、初日の平均スコア71・69が4日間で最も悪い“鬼門”だった。だが、全米プロは過去7度で一度も予選落ちがなく、16年4位、17年5位と得意としている大会。「原因を突き止めないと、次も思いやられる」と厳しい言葉を並べたが、終盤はティーショットも落ち着き、踏みとどまった。
新型コロナウイルスの影響で大会は5月から延期となり、無観客で実施された。歓声のない異例の雰囲気の中で、自らを鼓舞して戦う今季(19―20年)唯一のメジャー。早朝スタートの第2日に向け、「風が穏やかだと思うので、しっかり伸ばしていけるように頑張りたい」と静かに巻き返しを期した。
◆松山のメジャーでの平均スコア 昨年の全英オープンまで29回のメジャー出場。4大メジャー4日間の平均スコアは第1Rが71・69で最も悪い。第2Rは71・03、第3Rは71・38。最終Rは最も良い70・38となっている。