笹生優花、うれし恥ずかしドラコン女王…上田桃子らから後押しされ出場を決意


ドライビング女王コンテストで優勝した笹生優花(カメラ・豊田 秀一)

ドライビング女王コンテストで優勝した笹生優花(カメラ・豊田 秀一)

 ◆女子プロゴルフツアー デサント東海クラシック 第2日(19日、愛知・新南愛知CC美浜C=6456ヤード、パー72)

 日本女子プロゴルフ協会公認でツアー唯一となる今大会名物の「ドライビング女王コンテスト」が第2日競技終了後に行われ、今季ツアー2勝のルーキー・笹生優花(19)=ICTSI=が270ヤード飛ばして優勝した。10位で出た本戦では、通算3アンダーで8打差の26位につけた。65で回った東浩子(28)=加賀電子=と67の古江彩佳(20)=フリー=が11アンダーで首位に並んだ。

 笹生のスイングがうなりを上げた。人生初の「ドラコン」挑戦は初球で向かい風の中、270ヤードを記録。18、19年ドラコン女王の穴井詩(らら、32)を1・9ヤード上回り、初出場で優勝した。賞金50万円をゲットし「スイングはいつも通り。当たりは当たった。ただ、引っかけた。飛んでくれてうれしかった」と天真爛漫(らんまん)に笑った。

 初のドラコンには「恥ずかしくて出たくない気持ちがあり」と登録締め切りの前日夕方ギリギリまで迷った。だが、初日同組の上田桃子(34)らから「出なよ~」と後押しされ、出場を決意した。ドラコンでは、出番待ちの場所にカマキリが出現し、悲鳴を上げ逃げる選手も出た。笹生が少年のような頼もしさを見せ、イスごとカマキリを遠くに運んで追い払った。そんなハプニングも含め、始まってしまえば「楽しくできた」と充実の表情だった。

 アマ時代に300ヤードを記録したという“規格外”のスイングは、少女時代に養われた。ゴルフを本格的に始めた8歳時に過ごしたフィリピンは女子の競技人口が「100人に5人ぐらい」と少ない。そのため、笹生は男子に交じって練習した。最初は「75ヤードも飛ばなかった」というが、「男子はみんな飛ぶから、私も飛ばしたくて」と日々食らいつきクラブを振り続けた。努力の結果“女タイガー・ウッズ”と呼ばれるほど、豪快なスイングを手に入れた。

 ドラコン優勝の勢いを本戦にもつなげる。昨年大会は、渋野日向子が最終日に8打差をまくって大逆転優勝した。笹生はこの日の本戦では、32パットとグリーン上で苦戦。73と伸ばせずも、昨年の例にならえば、首位と8打差の“優勝圏内”で最終日を迎える。初々しさが残るルーキーは「パターが思い通りに打てなかった。反省して楽しくやりたい」と気負いのない様子。畑岡奈紗、宮里藍さんに続く歴代年少3番目となる19歳92日でのツアー3勝目を、自然体で目指す。(宮下 京香)

 ◆ドライビング女王コンテストの実施方式 各選手2球ずつ打ち、指定エリア(フェアウェー、フェアウェーとラフの中間部分、カート道)に最も飛んだボールで順位を競う。希望者だけが参加。優勝賞金は50万円。

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