新垣比菜、首位発進…黄金世代6人目の複数回優勝へ いいプレーの「イメージあります」


11番、ティーショットを放つ新垣比菜。初日1アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

11番、ティーショットを放つ新垣比菜。初日1アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアースタンレーレディス 第1日(9日、静岡・東名CC=6572ヤード、パー72)

 台風14号が接近し大荒れの天候の下、1998年度生まれ「黄金世代」の新垣比菜(21)=ダイキン工業=が4バーディー、3ボギーの71で回り、通算1アンダーで首位発進を決めた。18年4月のツアー初優勝以降、畑岡奈紗、渋野日向子ら黄金世代のライバルが飛躍。「焦らずに」と試行錯誤を重ねてきた21歳が、約2年半ぶりのツアー2勝目と世代6人目の複数回優勝を目指す。

 降り続く雨と最大風速10・4メートルの強風の下、新垣が粘った。前半は2オーバーも、さらに風雨が強まった後半の13番で7メートルのバーディーパットを沈めた。16番は第1打を6アイアンでピン3メートルにつけてバーディーを奪うなど3つ伸ばした。「だんだん(悪条件に)慣れてきて。久しぶりにアンダーでうれしい」と控えめに喜んだ。

 18年4月のサイバーエージェントレディスで初日から首位を守りツアー初優勝を飾った。昨季も前半戦はトップ10に6度入り、米メジャー、全米女子オープンにも出場。だが、後半は調子を落とし失速。今季も7戦中4度の予選落ち。「調子は悪くないのにスコアが出ない。何で」。自身の初V後、渋野日向子が米メジャー、AIG全英女子オープンで優勝するなど、5人が続々と複数回優勝を遂げた。それでも「みんなレベルが高いので、自分は劣っているなと思う。でも焦らずに」と自身のやるべきことに集中し、クラブを何度もテストするなど試行錯誤を重ねてきた。

 コロナの自粛期間は地元の沖縄で過ごし、ジュニア時代に腕を磨いたエナジックゴルフアカデミーに出向いた。同郷の後輩・佐渡山理莉(20)とラウンドしたり、得意としたショットを磨き直したり、原点に立ち返った。感情を表に出さない性格の新垣だが、関係者の話では「口には出さないけど、ずっと次の優勝に向けて強い気持ちでやっていた」と明かした。

 今大会は富士山の麓が舞台だ。初優勝も静岡・グランフィールズCCで富士山とともにプレーした。18年大会も初日から首位を走り2位に入るなど好相性で「(いいプレーをする)イメージはあります」とニヤリ。霊峰パワーで悲願の2勝目を目指す。(宮下 京香)

 ◆新垣のツアー初優勝 18年4月のサイバーエージェントレディス(静岡・グランフィールズCC)初日は8バーディー、3ボギーの5アンダー、67で首位タイ発進。第2日は7バーディー、1ボギーの66で通算11アンダーとして3打差をつけて単独首位に立った。最終日はアイアンショットが乱れて1バーディー、3ボギーの74とスコアを落としたが、2位の柏原明日架に1打差の通算9アンダーで逃げ切り、ツアー史上27人目となる初優勝を完全Vで飾った。

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