谷原秀人、4年ぶりV王手 アマ旋風に立ちはだかる 欧州再挑戦へ弾み「全力で頑張りたい」


第3日、1番でティーショットを放つ谷原秀人。通算5アンダーで首位(代表撮影)

第3日、1番でティーショットを放つ谷原秀人。通算5アンダーで首位(代表撮影)

 ◆男子プロゴルフツアー国内メジャー第1戦 日本オープン第3日(17日、千葉・紫CCすみれC)

 1打差2位で出たプロ20年目の谷原秀人(41)=国際スポーツ振興協会=が、難しい条件下で欧州ツアーでの経験を生かして得意のパットを武器に4バーディー、3ボギーの69をマークした。通算5アンダーの単独首位。16年日本プロ選手権に続く2つ目の日本タイトルと史上18人目のツアー通算15勝目に王手をかけた。大会93年ぶりでツアー史上5人目のアマチュア優勝を狙う河本力(りき、20)=日体大3年=、18年大会覇者の稲森佑貴(26)=フリー=が1打差の2位。

 ナショナルオープンの重みを知るベテラン・谷原が、“アマチュア旋風”の前に立ちはだかった。得意のグリーン上でさえを見せる。11番で4メートル、12番で6メートル、13番で6メートルを沈めて3連続バーディー。4年ぶり17度目出場の日本オープンで、自身初めて首位に立った。

 17年から3年間、欧州ツアーに本格参戦したが、今年はシードを手放して、日本を主戦場に再出発している。「(日本オープンは)誰しもが取りたいタイトル。僕も欧州で(各国のナショナルオープンを)毎週のように経験したので。あと1日、全力で頑張りたい」と熱い思いを口にした。

 1打差を追い、首位で21歳年下のアマチュア・河本と最終組で回った。「楽しかったですね。若いし、球がすごい飛ぶし。やっと日本にもこれだけ飛ぶ選手が出てきたかと思った」とたたえた。一方プレーでは、百戦錬磨の経験の差を見せつけた。「欧州ではこれくらいの天気は当たり前」。アンダーパーが4人のみと、大半の選手が寒さと雨で飛距離が出ずに苦しむ中で、グリーン上に活路を見いだし、全体最少の24パット。4年ぶりの復活Vに王手をかけた。

 この大会は15年の7位が最高成績。優勝すれば2つ目の日本タイトルを獲得し、5年シードを得られる。谷原が22年まで持つシードは26年まで延び、来年以降の予選会からの欧州ツアー再挑戦への足がかりができる。「欧州は難しいコースが多くて楽しいんですよ。やれるなら(また欧州で)やりたい。『年は関係ないぞ』って言われるので。海外では子供っぽく見えるみたいで、『ヘイ ボーイ!』って年下の選手からも呼ばれるんですよ」と向上心旺盛な41歳は笑う。欧州での3年間でさまざまな難コースに適応し、広げてきたプロゴルファーとしての幅を大舞台で見せつける。(榎本 友一)

 ◆谷原 秀人(たにはら・ひでと)1978年11月16日、広島・尾道市生まれ。41歳。12歳からゴルフを始め、瀬戸内高から東北福祉大を経て2001年にプロ転向。03年マンダムルシードよみうりオープンで初優勝。05年米ツアーに参戦し、06年全英オープン5位。16年は日本プロなど自己最多3勝を挙げ、賞金ランク2位となるなど日本ツアー通算14勝。12~14年平均パット1位。178センチ、80キロ。O型。家族は元アイドル「ココナッツ娘。」の妻・絢香さんと1男。

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