国内男子プロゴルフツアーの2020年最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(12月3~6日・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)が新型コロナウイルスの影響で、新たな出場資格と賞金総額で開催することが9日、発表された。5年連続5度目の出場となる選手会長の時松隆光(27)=筑紫ケ丘GC=は選手を代表して「感謝」の思いを口にし、一年の集大成のプレーを誓った。初の無観客開催にも、各大会関係者は感染症対策を徹底して最高の演出を約束した。
王者たちが集う“真冬の球宴”の開催が正式に決まった。今年はコロナ禍で20大会が中止になり、20―21年統合シーズンとなった。今年から選手会長に就任した時松はこの日、「新型コロナウイルスの難しい状況がある中で、大会を開催していただけることに、選手としてとても感謝しております。日本シリーズは一年の締めくくりの大会。良いプレーをお見せできるように頑張ります」とコメントした。
男女を通じて唯一の首都・東京開催のメジャー。1964年から大会を開催する東京よみうりCCも歓迎ムードに包まれた。小室雅俊支配人(50)は「開催できると聞いてホッとしました。日本一を決める大会ですので、コースの準備は今年もしっかりとさせていただいております」と話す。感染症対策のため、恒例の開会式は行わない。会場に出入りする関係者も最小限にする方針だという。
大会初の無観客開催でテレビ中継へのファンの関心は高まる。日テレは3密を避けるために例年より中継スタッフの数を減らし、アクリル板などの間仕切りを置き、万全の対策を期す。同局関係者は「今年は例年以上に、たくさんの方々に見ていただけたら」と期待する。
コースセッティングは99年大会覇者の細川和彦コースセッティングアドバイザー(49)が5年連続で手がける。「グリーンの硬さと速さは例年通りです。やさしさと難しさを織り交ぜて、男子プロゴルファーのすごさを見せたい」。総力を結集してコロナ禍を乗り越え、歴史に残る大会を生み出す。(榎本 友一)
◆東京よみうりカントリークラブ ゴルフコース設計の第一人者、井上誠一氏が手がけ、1964年4月に開場。同年から日本シリーズJTカップを開催。66年にはワールドカップ(当時カナダカップ)も開催。2014年に開場50周年を迎え、グリーンを改修。自然の起伏を生かした戦略性豊かな丘陵コース。高速グリーンが特徴で名物ホールは18番。日本のゴルフコースで最も難しく、有名なパー3の一つ。交通のアクセスは小田急線新百合ケ丘駅、京王相模原線稲城駅からタクシーで約10分。