◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス第1日(19日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
前週のマスターズ(米国)に出場したばかりで、五輪強化選手に対する帰国後の自主隔離を緩和する特例措置により、大会出場が可能となった昨年覇者の今平周吾(28)=フリー=は3バーディー、3ボギーの71で首位と6打差の44位で発進した。同伴競技者と常に社会的距離を保ち、クラブハウスに入れないなど「いつもと違う感じ」の厳戒態勢でプレーした。ツアー1勝の重永亜斗夢(32)=ホームテック=が65で単独首位。
無観客の静かなコースで今平の組だけが異質な雰囲気を放った。新型コロナ対策でキャディーと直接の球の手渡しはNGで、全てタオル越しに行った。クラブを渡す時もグリップは持たない。警備員2人、スタッフ2人を引き連れた。前半の13番、前の組が詰まっていたためティーショット前に腰掛けた椅子や、18番プレー中に触ったロープ、ハーフターン時に立ち寄ったトイレも、スタッフがすぐに消毒した。
クラブハウスに入れず、同組選手と大声の会話も禁止された。試合前の打撃練習は一人違う動線から入り、専用の打席で調整した。急きょ設置された専用のプレハブ小屋で行った試合後のリモート会見で「いつもと違う感じだった。(選手とも)2メートル離れることを意識しながらやっていた。孤独感? 仕方ない状況なので、それは感じなかった」と振り返った。
マスターズ(44位)から2日前に帰国したばかり。五輪強化指定選手のため、本来なら2週間ある自主隔離が免除される特例の初適用者となった。「ディフェンディング(大会)でコース相性もいいので出させていただき、ありがたい」と感謝した。常時マスクを着用し、手指の消毒を毎ホール後に行った柏木一了キャディーは「本人も正直、ここまで(対策を)やるとは思ってなかったようだ。大変だけど、スポーツ界、五輪のために前向きにやっていた」と話した。
プレーではティーショットが左に曲がり、前半に2ボギー。今平は「前日(18日)の移動でずっと座っていたのもあり、体が思うように動かずしんどかった」と明かした。前夜は時差ぼけで2度、目が覚めるなど万全ではなかったが、後半に入ると「体が回るようになった。オーバーパーを打たなくて良かった」と及第点を与えた。首位と6打差。“新しいプレー様式”で上位を追いかける。(岩原 正幸)