◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス第1日(19日、愛媛・エリエールGC松山=6545ヤード、パー71)
昨年大会覇者の渋野日向子(22)=サントリー=はパットがさえて3バーディー、ボギーなしの68をマーク。スタンスを広げて昨年のような強気のパットが戻った。初の連覇に向け、今季日米ツアー合わせて初日自己最少スコアタイ&最高となる首位と3打差の4位で滑り出した。辛口の自己採点も「45点」まで上昇した。
昨年、世界を席巻した“スマイル・シンデレラ”に強気のパットと明るい笑顔が戻ってきた。気温26度まで上がった秋晴れの下、渋野が今年の国内ツアーで最少スコアを叩き出した。オンライン記者会見では「ノーボギーで回れたことは良かったです。パットに救われました」と安どの笑み。最近、恒例になりつつある辛口の自己採点を聞かれると「今日はパターがめっちゃ良かったので。でもショットが荒れた分、45点くらいで」と笑い飛ばした。
10番から出て、11番パー5でピン手前8メートルに2オンするも3パットのパー。それでも続く12番で、上りのフックラインの2メートルのパーパットを沈めて「落ち着いた。良いストローク、これだなというのが分かった」ときっかけをつかんだ。15番で1メートルにつけてバーディーを先行させると、17番は1・5メートルを沈めて伸ばした。7番では6メートルのバーディーパットを流し込んだ。
今大会が2度目のコンビとなる古賀雄二キャディー(37)の支えも大きい。TOTOジャパンクラシックでの初コンビ後に、パット時の足のスタンス幅を広くするように助言を受けた。それを取り入れると、前週大会で1度も3パットなし。「どっしり構えるのが良い方向にいっているので続けたい」と復調への手応えをつかんだ。「シビアな距離を外すことがなかったのですごい良かった。キャディーさんにも『球の転がりが良くなったね』と言ってもらえたので、自信を持ってやれた」と感謝した。
一方で、右足裏を痛めており、右足を引きずる場面も見られた。パーオン率は72%。「右足が靴擦れになっちゃって。痛いなりに打てたので良かったと思います」と明かした。
相性抜群の会場だ。四国に多い起伏の激しいコース。昨年大会初日も7バーディー、1ダブルボギーの67で回って自己最高の2位発進を決めた。決勝R2日間はボギーなしの66をマークして涙の優勝。この日で3R連続ボギーなしとなった。「スタートとしては上出来。最近は2日目にスコアを落として、順位を下げることが多かったので粘り強いゴルフをしたい」。22歳初V&1年ぶりの日米通算6勝目へ―。強気のパットで“実りの秋”を迎える。
(榎本 友一)
◆渋野の最近の辛口自己採点
▼11月6日 TOTOジャパンクラシック第1日で5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの1アンダー、71。今季国内初のアンダーパーで回り38位スタート。「先週(予選落ちした三菱電機レディス)がマイナス100点だったら、今日は(プラスマイナス)0点まで戻ってきた」
▼7日 同大会第2日で4バーディー、1ボギーの69と今季国内初の60台をマーク。パーオン率が72%から89%に復調し、通算4アンダーの28位へ浮上して「(100点中)3点」
▼8日 同大会最終日で2バーディー、ボギーなしの70で回って通算6アンダーの30位。昨年11月以来のボギーなしラウンドで、今季国内初賞金の116万円を獲得も33パットで「(100点中)5点」
▼13日 伊藤園レディス第1日で4バーディー、2ボギーの70で20位発進。3パットなしの30パットで「12点。3ミリくらい前進した」