女子ゴルフのメジャー、全米女子オープンは10日(日本時間11日)、テキサス州チャンピオンズGCで開幕する。8日に予選ラウンド(R)組み合わせが発表された。コロナ禍で6月から延期され、日没が早まるため、予選Rはサイプレスクリーク(CC)、ジャックラビット(JR)の2コースを使用して行われる。日本勢は過去最多の18人が出場。日本女子ツアー通算9勝の諸見里しのぶさん(34)=ダイキン工業=が異例の大会を占う。
予選Rで2コースを使用するということで、精神的にも体力的にもタフな戦いになります。予選を通過すれば、決勝Rで両日使用するCCを3日間、JRを1日回ります。1日だけのコースはピンがどこに切られるか想像しづらく、グリーンの形状や外してはいけないところを頭に入れておかなければなりません。
コースは変わりますが、1、2日目ともに同じ時間からスタートします。一般的にグリーンにスパイク跡がなく、風も弱い早朝組が有利とされますが、今回はそうとは言い切れません。現地からの情報では、朝は気温10度程度、日中は約25度と寒暖差があります。また夜に雨が降った場合、午前中は芝がぬれてランが出づらい状況もあり得ます。ともに距離が長いコースで、地面が乾いて暖かくなる遅い時間の方が回りやすい可能性があります。
最終組で回る原選手は国内メジャー連勝で自信を深め、ワクワクした心境で迎えることでしょう。勝負どころを逃さず、自分のリズム、流れを作るのがとても上手な選手。10月の日本女子オープンは距離があるコースで、厳しいピンポジションを攻めていました。高い球を打てますし、持ち味の飛距離が武器になりそうです。
今季国内3勝と好調な古江選手は、ボギーの少ない点がメジャーに適していると思います。ショットが正確でアプローチ、パターの小技の技術も高く、我慢強いのが特長です。縦幅が50~60ヤードで傾斜が強いグリーンがあり、乗せてもロングパットが残る可能性があります。そういった状況では、古江選手のグリーン上のタッチの良さが生きるでしょう。
渋野選手は、日本ツアーで強気のパッティングが見られるようになってきました。自信を持ってストロークできています。全米女子プロ3位の畑岡選手は、グリーンの傾斜を使ってピンに寄せるショットにたけていて、今回もそういった技が見られそうです。日本勢が18人出場し、とても楽しみな大会です。(女子プロゴルファー)
◆チャンピオンズGC テキサス州ヒューストンに位置し、1957年にジャッキー・バークジュニアとジミー・デマレットが設計。6731ヤード、パー71と距離が長いサイプレスクリーク(CC)と6558ヤード、パー71で細かい起伏が多くひそむ難易度の高いグリーンが特徴のジャックラビットの2つのコースがある。この大会は初開催で、69年に男子の全米オープンがCCで行われた。予選Rは2つのコース、決勝RはCCで行われる。