◆米女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 全米女子オープン 最終日(14日、米テキサス州チャンピオンズGCサイプレスクリークコース=6731ヤード、パー71)
日本女子ツアー通算9勝の諸見里しのぶさん(34)=ダイキン工業=が15日、女子ゴルフのメジャー、全米女子オープンで4位となった、日米通算5勝の渋野日向子(22)=サントリー=のショートゲーム、精神面などの着実なレベルアップを指摘。総合力を生かした頭脳的なゴルフで昨年8月のメジャー、AIG全英女子オープン優勝時よりも「何倍も何十倍も強くなっている」と、21年のさらなる飛躍に期待を込めた。
最終Rの渋野選手は寒さと重圧で体が思うように動かなくて、大変な一日にみえました。前半からなかなかショットが思うように打てなくて7番、10番、17番で2メートル前後のパーパットが外れた。本人の中でも相当、苦しかったと思います。
優勝はなりませんでしたが今大会を通じて大きな成長を感じました。今年、ゴルフの内容をいろいろと考え始めた。ピンを狙う攻撃的なゴルフから、どうやってコースを攻略するかに集中して取り組んできました。今大会を見ていてアプローチ、バンカーショット、コースマネジメント、メンタルコントロールに確実なレベルアップを感じます。難しい設定の中でダブルボギーが1つもないのは今年、磨かれた粘り強さでしょう。
全米女子オープンの4位はむちゃくちゃすごいことです。渋野選手が満足できないのは本気で勝ちたい気持ちがあるから。楽しみながら勢いで世界の頂点まで駆け上がった、AIG全英女子オープンを制した昨年よりもはるかに何倍も、何十倍も今は強くなっています。
今年は米ツアー進出を見据えてスイング、トレーニングなどを改良しました。コロナ禍で多くの試合がなくなり、かみ合うまでに時間がかかり、注目や期待もあって苦悩も大きかったと思います。それでも数か月でまた、メジャーの舞台での優勝争いまで戻ってこられたのは、渋野選手のたゆまぬ努力と強さの証し。約2か月の英米遠征も含めて、苦しみながらいろんなことを吸収した1年にみえます。来年に向けて、まずはゆっくり休んでほしいです。今日の悔し涙が、彼女をさらに強くすると信じています。
(女子プロゴルファー)