松山英樹41位発進でも大会初日自己ワースト73でも「落ち着いてできた」マスターズ王者の余裕


◆米男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米プロ選手権 第1日(20日、米サウスカロライナ州キアワアイランドリゾート=7876ヤード、パー72)

 9年連続9度目出場の松山英樹(29)=LEXUS=が3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73をマーク。首位と6打差の1オーバー、41位で発進した。強風の中、小技のミスで大会初日自己ワーストスコアも、持ち前のショットは復調気配。4月のマスターズに続くアジア人初のメジャー2連勝を目指す。初出場の金谷拓実(22)は75で77位、星野陸也(25)も76で97位と出遅れた。ツアー1勝のコーリー・コナーズ(29)=カナダ=が67で単独首位。

 マスターズ王者が堂々の滑り出しを見せた。松山は「今までは(勝ちたいと)すごく気持ちが入り過ぎていた。今日は落ち着いてできた」と明かした。34度目のメジャー舞台で初めて抱いた“違和感”だ。昨年大会覇者のモリカワ、全米オープン王者のデシャンボー(ともに米国)と同じ大会最注目組で「HIDEKI!」と約1万人の観客から大歓声を浴び続け、ミスショットもおどけて受け入れるなど冷静さと余裕を感じさせた。

 日本人初のメジャー覇者として臨んだメジャー大会。実は不安を抱えてのスタートだった。この日朝の練習場では生命線のショットが不調に陥った。出だしの10番で、ドライバーショットが331ヤード先のフェアウェー中央を捉え、「ちょっと落ち着いた」と息をついた。風が強まる中、パーオン率は全体4位の72・22%と武器のショットはさすがの対応力を発揮。それでも「アグレッシブにピンにいけない。もう少し状態を上げたい」とメジャー2勝目へと厳しく自己評価した。

 強風もあり、この日の全長は7660ヤードに設定された。日本のエースが苦戦したのはグリーン周りだ。12番、18番と2度の3パットでボギー。3番は砲台グリーン右に第2打を外し、3打目の寄せをミス。3メートルのボギーパットを左に外してダブルボギーとした。とはいえ、この日の平均スコアは74・781。73で6差41位発進に松山は「思ったよりも悪いスコアにならなくて良かった」と安どした。

 11番、2番、7番とパー5のバーディーでスコアをまとめた。マスターズ後、約1か月のブランクがあってまだ復帰2戦目。状態は回復途上だが、挽回可能な位置につけた。全米プロは4大メジャー唯一予選落ちがなく、過去8度のうち6度初日から最終順位を上げている相性の良さがある。「(第2日は)しっかり伸ばして少しでも差が縮まればいい」と日に日に感覚を研ぎ澄ませ、頂点へと迫る。

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