32歳の菊地絵理香が1561日ぶりの完全V「“うまい”より“強い”と言われたい」


万歳で優勝を喜ぶ菊地絵理香(代表撮影)

万歳で優勝を喜ぶ菊地絵理香(代表撮影)

◇日本女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 最終日(27日、千葉・カメリアヒルズCC=6639ヤード、パー72)

 4打差の単独首位で出た菊地絵理香が4バーディー、ボギーなしの68で回り初日から首位を守りきる完全優勝。「やっぱり4日間大会で勝ちたかった。ファンの皆さんの前でこのような優勝の仕方を見てもらえてうれしい」。2017年3月のTポイントレディス以来となるツアー通算4勝目で優勝賞金5400万円を加算し、生涯獲得賞金は5億円を突破した。「私には無縁だと思っていたビッグトーナメントでの優勝はびっくり。朝から緊張してご飯も入らなかったけどこんなにいい形で勝てるとは思っていなかった。ホッとしています」と喜びを語った。

 過去3度の優勝は全て「逃げ切りV」。そのうち2度は「完全V」と絶好の位置で迎えた最終日。1番で「上りより得意」という下りのパットを沈めてバーディーを先行させリズムに乗った。5番で同じ最終組で回った2位の西郷真央が5メートルのバーディーパットを決めた。それを見た菊地はほぼ同じ距離のパットを入れ返すとギャラリーは大興奮。9番では西郷が第1打を池に入れてしまいボギーとしたが、菊地はグリーンを捉え、手堅くパーで切り抜けた。

 後半も精度の高いショット、強気のパットを駆使しスコアを3つ伸ばす13歳下の西郷を横目に「気が抜けない」。17番では10メートルのカラーからパターでねじ込むバーディーでガッツポーズ。「気は強いけどポキポキ折れて弱い」という心を自ら奮い立たせてプレーした。18番でバンカーからのショットでグリーンに乗せ、約80センチのウィニングパットを決めると、ようやく柔らかい笑顔に。同組の上田桃子のキャディーを務めた新岡隆三郎さんとも肘タッチを交わした。

 1561日ぶりの勝利。今季ツアー6勝を挙げる稲見萌寧、同3勝の小祝さくら、古江彩佳ら20代前半の若手の台頭が目立つが、5月に上田桃子、6月に笠りつ子が優勝しツアーでは「ベテラン」と言われる30代も奮闘を見せる。32歳の菊地は「まだまだ若い子に負けないという気持ちにはならないけど、ちょっと自信が出てきた部分もある。選手は“うまい”より“強い”と言われた方がうれしい。私はまだまだ弱いのでもっともっと強くなりたいです」とさらなる飛躍を約束した。

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