今月初めに新型コロナウイルスに感染後、実戦復帰に向けて調整を続けていた米男子プロゴルフツアー通算6勝の松山英樹(29)=LEXUS=が、東京五輪出場を決断して近日中に帰国することが20日、分かった。男子の競技は29日から埼玉・霞ケ関CCで行われる。4月のメジャー、マスターズをアジア人初制覇後、国内の凱旋試合となる。
苦難を乗り越え、晴れ舞台に立つ。コロナから回復した松山は、五輪に出場するため、日本への出国前96時間以内にPCR検査で2回陰性を証明する必要があったが、その条件を満たした。複数の五輪関係者によると、近日中に帰国した後、24、25日の霞ケ関CC(7466ヤード、パー71)での練習ラウンドにもエントリー済みという。
松山は今月1日、米男子ツアー大会中に「喉の痛み、頭痛、吐き気を感じた」と、新型コロナのPCR検査で2日に陽性となり棄権した。米フロリダ州の自宅へ移動し、10日間の自主隔離に入って静養。ただ10日の時点でも「陽性」だったため、15日開幕の全英オープンを欠場し、日本人最多記録を更新していた4大メジャー連続出場記録は33で途切れた。16年リオ五輪は、ジカ熱などへの不安から出場を直前で辞退。間近に迫っていた東京五輪への出場も危ぶまれていた。
そんな中、14日に早藤将太キャディー(27)がインスタグラムで「11日の隔離を経て松山さん(PCR検査で)2回陰性出ました~元気に練習再開!」と順調な回復ぶりを報告。その後、松山は4日間連続でラウンドするなど五輪での実戦復帰を見据え、体調と状態を見極めてきた。
6月の代表決定時には「五輪でもメダルを獲得して、たくさんの方々にゴルフの素晴らしさを知っていただけるように頑張ります」とコメント。4月のマスターズで優勝して帰国後2週間の隔離期間は練習ができず、その後の米ツアーは5戦で23位が最高。今回も11日間の自主隔離中は練習できず、万全な状態ではない。それでもまたとない自国開催の五輪。日本の子供にゴルフに興味を持ってもらうため、日本人ゴルファー初の五輪メダル獲得の夢に挑む。