◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ 第1日(19日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)
大会初の連覇を狙う19年覇者・石川遼(29)=カシオ=は3バーディー、ボギーなしの69をマーク。約2年半ぶりに(バックフェースがえぐれた)キャビティー型の新アイアンを投入し、好感触を手にして4打差の27位で滑り出した。過去8度の出場で2勝&3度のトップ3入りと相性抜群のコースで、19年12月以来の通算18勝目に挑む。ツアー1勝の宋永漢(ソン・ヨンハン、30)=韓国=が7アンダー、65で単独首位発進を決めた。
真夏の北の大地で、石川が新たなスタートを切った。風速7メートルまで強まった午後スタート。約1か月半ぶりの実戦と難しい条件の中、冷静な試合運びを見せた。「久しぶりの試合で緊張もあった。ノーボギーは目標にしているので初日としては悪くなかった」と納得顔でうなずいた。
10番スタートで、13番と18番と2つのパー5でしっかりとバーディーを奪った。後半も5番で、アイアンでの第2打を右下2メートル半につけて伸ばした。前日のプロアマ戦から急きょ「気になっていた」と新兵器を投入したのが奏功した。
同じキャロウェイゴルフ契約のザンダー・シャウフェレ(米国)が、東京五輪金メダルを獲得したキャビティー型の「APEX TCBアイアン」だ。プロアマ戦で初使用して「ブレが少ない」と5~9アイアンの5本を入れ替えた。1年半前から取り組む再現性の高いスイングとマッチし「(18年末から使ってきたバックフェースが平らな)マッスルバック型よりも、より直進性と易しさがある。打ち出しも高くなるので、すごく良い仕事をしてくれた」と振り返った。
優勝した14年大会もこの日と同じ初日69で首位と4打差の12位発進だった。「グリーンが少しずつ速く、硬くなるのでアイアンの距離感がキーになる」と石川。より高精度の“金メダル・アイアン”で大会初の連覇へと迫る。
(榎本 友一)
◆石川と長嶋茂雄招待セガサミーカップ
過去8度の出場で08年3位、09年10位、11年2位、12年3位、14年と19年に優勝と6度のトップ10入りとツアー屈指の好相性を誇る。14年は第1Rを2アンダー、69の12位で滑り出すと第2Rは71で11位。第3Rは67で3位へ浮上し、2打差で出た最終Rも67で通算10アンダーで小田孔明と並び、プレーオフを3ホール目で制した。