石川遼が「新たな道」で今季初優勝へ2打差3位浮上「飛んでかつ、しっかり幅におさまっているのが大事」


石川遼

石川遼

◆男子プロゴルフツアー Sansan・KBCオーガスタ 第3日(28日、福岡・芥屋GC=7210ヤード、パー72)

 ツアー通算17勝で2016年大会王者の石川遼(カシオ)が5打差の17位で出て、飛んで精度も高いショットを軸に8バーディー、2ボギーの66をマーク。通算11アンダーで首位と2打差の3位へと浮上した。

 ツアー通算14勝の谷原秀人がこの日朝、肋骨痛のために棄権。第3ラウンドは、東京五輪日本代表で賞金ランク1位の星野陸也と2人1組で回った。夏休み中の子供など、大勢のギャラリーを引き連れて歩いた。

 石川は、星野とともに32度の気温よりも熱い伸ばし合いを演じた。2番で、グリーン奥エッジ12Mからフックラインを読み切ってバーディーを先行させた。笑顔で喝采を浴びるも、続く4番パー3は、2打目のアプローチが強めに入って4Mオーバーしてのボギー。4番は、アイアンでの2打目をピン下1Mにつけて伸ばした。

 534ヤードの13番パー5では、石川はドライバーで「キャリーで318ヤードを越えて」2オン2パットのバーディー。556ヤードの最終18番パー5でも、追い風に乗って340ヤード越えのビッグドライブ。ピン右下10メートルに2オンして2パットで伸ばした。今大会初めて4つのパー5で全てバーディーを奪って、優勝争いに加わった。パー5でのバーディー率を上げるのは、20年3月に田中剛コーチ(42)に師事してから取り組んできたことだ。

 「3日間の中で(ショットの)内容は一番良かったと思う。昨日の後半、(ショットが)ブレたことの反省が今日は生かせた」とホールアウト後、厚みを増した胸を張った。

 16年大会は初日から首位を走り完全優勝。4日間の平均飛距離は288・63ヤード、フェアウェーキープ率は37・5%で54位、パーオン率は59・72%で34位だった。この日のフェアウェーキープ率は71・43%で全体5位。パーオン率72・22%で同13位と、19年大会後の改修後、107ヤード伸びたコースでショットの精度は確実に上がっている。「飛ばしにいく時でもスイング的なポイントが1、2か月前よりはできているな、と思えたのは収穫ですね。自分の現在地は大体分かった。飛んでかつ、しっかり幅におさまっているのがこれから大事」とうなずいた。田中コーチに師事後、取り組んできたロングゲームの精度アップと筋力トレーニングが着実に身を結びつつある。

 これまで17勝のうち6勝が最終日逆転Vだ。「まずは自分のベストのプレーを目指して。13番から18番までスコアが動くと思うので、最後までわからないと思います」と石川は冷静に話す。5年前とは違う、再現性の高いスイングと高確率のマネジメントを重視した「新たな道」で、19年12月以来の頂点へと駆け上がる。

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