◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック 最終日(5日、山梨・富士桜CC=7566ヤード、パー71)
3位から出た2018、19年賞金王の今平周吾(28)=ダイヤ=が7バーディー、ボギーなしでこの日ベストの64で通算12アンダーで逆転。2位に4打差をつけ、19年11月のダンロップフェニックス以来となる今季初優勝、通算5勝目を挙げた。賞金ランクは11位から6位に浮上し、史上4人目で最年少での3季連続賞金王へ加速する。石川遼(29)=カシオ=は71と伸ばせず、8アンダーで2週連続の2位だった。
17番で7つ目のバーディーを奪い、後続を3打離した今平はこの時点で勝利を確信した。今季初Vに「すごくうれしい。思ったようにスイングできて、自信を持って4日間できた」と胸を張った。3差で出ると、2番で10メートルのバーディー、5番でチップインバーディー。後半は12番のベタピンショットなど5バーディーを加えて大会自己最少の64。同じ最終組の石川、池上との争いを抜け出した。
中学時代から互いを知る同学年の池上とは、今週も練習ラウンドを共にした。セルフプレーをする池上と笑顔で話す場面も多く、「すごいリラックスできた。(一緒で)かなりプラスになった」と振り返った一方、「憲士郎には優勝を渡したくなかった」と、ライバル心ものぞかせた。
2年連続賞金王はコロナ禍で再開された昨年9月以降、1年間優勝から遠ざかった。「単純に筋力アップして、短い番手で攻めていけばスコアも縮まると考えた。飛距離は少し伸びたけど、アプローチやアイアンショットの精度が落ちてしまった」と分析。今年の序盤4、5戦を終えた後に「元の状態に戻して調子が上がった」と、トレーニング量を抑えて正確性重視に変えたことで奏功した。
賞金ランクは11位から6位に浮上し、首位の星野に約2300万円差に迫った。通算5勝のうち4勝が9月以降と秋に強さを誇り、ここ2シーズンは10月の初優勝から加速し、頂点をつかんだ。目標は「シーズン3勝と3季連続の賞金王」ときっぱり。国内ツアーで勝ち星を重ね、再び夢である世界に立ち向かう。(岩原 正幸)
◆国内男子ツアーの3季連続賞金王 1973年のツアー制施行後では過去3人が達成している。〈1〉青木功が78~81年の4季連続(36~39歳)、〈2〉尾崎将司が88~90年の3季連続(41~43歳)と94~98年に歴代最長となる5季連続(47~51歳)。〈3〉片山晋呉は04~06年の3季連続(31~33歳)。今平が今年、3季連続の賞金王となればツアー史上最年少での達成で、歴代4人目となる。