◆女子プロゴルフツアー 住友生命レディス東海クラシック 第1日(17日、愛知・新南愛知CC美浜C=6502ヤード、パー72)
国内復帰2戦目の渋野日向子(22)=サントリー=は4バーディー、2ボギーの2アンダー、70で首位と4打差の7位スタート。自身のゴルフを「まぐれ」と評したが、同組で3バーディー、ボギーなしの69で3位発進した、今季8勝の稲見萌寧(22)=都築電気=のプレーを「今の稲見萌寧は強すぎる。メンタルという言葉が必要ないくらい“仏”ですね」などと絶賛した。大里桃子(23)=伊藤園=が66で単独首位となった。
渋野は7月以来、通算7度目の同組となった稲見の隙のないプレーに目を奪われた。風雨の中、70で回り、稲見は69。稲見と1打しか違わないが、「私もいつかこういうゴルフができたらという“お手本”を見せてもらった」と言った。
自身は今年日米ツアー17戦目で、3月以来2度目の初日1桁順位発進。17番で6メートルのバーディー、18番は手前から13ヤードのチップインバーディー締めに「このスコアで上がれてうれしいけど、まぐれが多い。うーんって感じ」と13番からの連続ボギーなどを反省した。
今年から取り組むスイングなど課題と向き合う中、渋野が衝撃を受けたのが今季8勝で賞金ランク1位の稲見の安定感だ。「今の稲見萌寧は強すぎる。このタイミングで一緒に回れるのは、見るしかない。ギャラリー目線でチラチラ見てました」と告白し「ショットで狭いサイドに外さない。最終日ならピンを攻めるだろうけど、リスクを背負わない」と、ボギーなしの“大人のゴルフ”を絶賛した。
19年の全英女王は、絶好調の五輪銀メダリストを「前からメンタル強いなと思っていたけど、今はもうメンタルという言葉が必要ないくらい、悟りを開いてる感じで、仏ですね」と笑って評した。一方、1学年先輩の称賛を会見場入り口で聞いていた稲見は「しぶこは、すごい快挙を成し遂げて何度も大変な思いをした。その中でいろいろ対応しながら、ゴルフも頑張っていて尊敬している」と語り、「私、メンタルは結構心配性なんです」と謙遜した。
現時点で国内最強の稲見に大いに刺激を受けた渋野は「私はもう少し飛ぶようになりたい。米ツアーの選手にいるように、高さのあるボールでピンを狙っていけたら」と、自身が目指す理想像をはっきりと口にした。(岩原 正幸)
◆今年の主な「しぶこ語録」
▽2月(契約メーカーのイベントで21年へ決意) 「挑戦し続ける気持ちを忘れることなく、最後まで走り抜けたい。変化して、自分を変えていけたら」
▽3月(15位に終わったアクサレディスで)「今やっていることに不安はないし、周りにどう言われようが関係ない」
▽6月(全米女子プロ選手権で40位。東京五輪代表の2枠入りを逃す)「自分の今できることはやりきった」
▽7月(GMO&サマンサカップの前に3か月に及んだ米ツアー遠征を経験)「新しい自分になれた」
▽7月(楽天スーパーレディースの大会前に小学生の時に競技経験があるソフトボールの日本代表が五輪金メダル獲得)「上野(由岐子)さんが泣いているのを見てギャン泣きでした」