◆女子プロゴルフツアー ▽スタンレーレディス 第2日(9日、静岡・東名CC、6592ヤード、パー72)
1打差2位で出たアマチュアの佐藤心結(みゆ、18)=茨城・明秀学園日立高3年=が、1イーグル、3バーディー、2ボギーの69で回り、通算8アンダーで首位に浮上。中学時代に陸上部で砲丸投げをしていたパワーを武器に、飛距離260ヤード超のドライバーで飛躍。史上8人目のアマ優勝&日本人では最速タイのツアー4戦目での快挙に迫った。小祝さくら(23)=ニトリ=、工藤遥加(28)=フリー=も首位。
富士山を望む雄大なコースで、佐藤がプロ顔負けの豪快なプレーを見せた。3番パー5で残り238ヤードから2ユーティリティーで6メートルに2オンさせ、見事なイーグル。「1番のバーディーで緊張が和らぎ、一日楽しくできた」。最終組で回ると序盤3ホールで4つ伸ばし、69で首位に浮上した。
初の予選通過だけでなく、史上8人目のアマ優勝に王手をかけ「2日とも60台で良かった。この位置にいることで自分を褒めたい」。会見で緊張した表情を見せながら、堂々と受け答えた。
2日間の平均飛距離267ヤードは全選手トップだ。7歳からゴルフを始め、中学時代は陸上部に所属。3年時に砲丸投げで10メートル80センチを記録し、神奈川県西部大会で優勝歴を持つ。「下半身の強化でダッシュをたくさんやったことが飛ばしに生きた」。初日の8番は驚異の309ヤードをマークした。
高校はゴルフの練習環境が整った茨城の明秀学園日立高に入学。12日からはプロテスト2次が控えるが、優勝すれば免除されプロ転向が可能になる。2年前には米ツアー5勝で茨城出身の畑岡奈紗(22)と回る機会があり「ショットがすごい」と絶賛されたという。
アマでツアー4戦目の優勝なら、畑岡に並び日本人で最速タイ記録が懸かる。将来は国内で賞金女王や、海外ツアー挑戦も見据える女子高生は「首位なのでこのまま優勝できるように」と気合十分。過去、最終日を首位で迎えたアマは12戦0勝という負のデータをも覆すだけの可能性を秘める。(岩原 正幸)
◇最終日を首位で迎えたアマチュア選手(首位タイ含む) 1988年のツアー制施行後で、11大会で12人いるが、いずれも優勝を逃している。最新では19年5~6月、リゾートトラストレディスで古江彩佳が1打差の首位で出て、70で3位。
◆佐藤 心結(さとう・みゆ)2003年7月21日、神奈川・小田原市生まれ。18歳。7歳で祖父の影響でゴルフを始める。茨城・明秀学園日立高3年。今年は日本女子アマで3位。コーチは今週キャディーを務める三觜(みつはし)喜一氏。得意クラブはドライバーで、平均飛距離260ヤード超。運動神経抜群で、小5でソフトボール投げ44メートルを記録。スポーツ歴はサッカー、陸上。家族は両親、兄。161センチ、57キロ。