国内女子プロゴルフツアーの富士通レディースが15日から3日間、千葉・東急セブンハンドレッドC西C(6679ヤード、パー72)で感染防止策として無観客で行われる。前週のスタンレーレディスで686日ぶりの復活優勝をつかんだ渋野日向子(サントリー)が14日、18ホールの練習ラウンドで調整した。
初出場となる今大会。午前9時にコース入りし、同10時過ぎから約5時間半かけてコースを見て、ラフからのセカンドショットやグリーン上を入念にチェック。「グリーンが速いのと、ラフはそんなに長くないけど根が強そう。ラフに入ったら難しい」と印象を語った。
スタンレーレディスでは2打差5位から出た最終日に68で首位に追いつき、アマチュアの佐藤心結(みゆ)ら4人によるプレーオフを2ホール目で制して涙の優勝。19年11月の大王製紙エリエールレディス以来の国内通算5勝目、日米ツアー通算6勝目を飾った。復活V後は同日に更新したインスタグラムにファンから多くの祝福コメントが届き、知人からも連絡があったという。「小さい頃から応援してくれている人とかからも連絡が来て、喜んでくれてよかった。(返信は)全部させていただきました」と感謝した。
19年は8月の海外メジャー、AIG全英女子オープンVなど日米で5勝を挙げ、その強さは恐ろしいほどだった。さらに今年初めからはスイングの再現性を求め、スイング改造に着手。また、ウェッジ4本態勢を敷き「100ヤード前後」のショットの精度を上げる取り組みにも励んだ。その間は勝てずに苦しい時期も過ごしたが、「自分の意思を最後まで貫いてやりたい」と強い気持ちでやり切った。前週は平均飛距離も259・667ヤードで全体2位。磨いていた「100ヤード以内」のショットにつなげ、勝利を手にした。「今やっていることが間違いじゃなかったと思えたし、すごく前向きになれました」と自信ものぞかせた。
11月末からは来季の米女子ツアーの最終予選会(米アラバマ州)に挑戦する。その前に国内ツアーで今大会から大王製紙エリエールレディス(11月18日~21日、愛媛・エリエールGC松山)までの6試合に出場する見通し。自身初の2週連続Vも懸かるこの一戦。「2週連続優勝?(稲見)萌寧とか(西村)優菜ちゃんとか今年やってのけている人もいるけどめちゃくちゃ難しいこと。私は特に考えていない。目の前に集中したい」と冷静に見据えた。試行錯誤を重ねてつかんだ約2年ぶりVで「やっとスタート地点に立てた」という渋野の挑戦はここからが本番だ。