◆男子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本オープン 最終日(17日、滋賀・琵琶湖CC=6986ヤード、パー71)
世界アマチュアランク1位の中島啓太(日体大3年)は、通算6オーバーでホールアウトした。
前々週の東海バンテリンクラシックは腰痛で棄権し、この大会が復帰戦。競技開始前から4日間戦い抜くことを目標に掲げていた中島は「腰がよくないなか4日間プレーできた。たくさんの方に支えられた一週間だった。結果的にはすごくひどかったので悔しい思いが強いですけど、まずはプレーできたことに一安心しています」と、ケアをしてくれた大学のトレーナーや周囲のサポートに感謝した。
この日は雨が降って気温が下がるなかスタートし、2番から3連続ボギー。ドライバー、アイアンともにティーショットが右に曲がり「(4日間で)一番ひどかった。ティーショットが悪かったので、そこは悔いが残る」と表情を曇らせた。それでも、パー3の5番ではピン横約5メートにつけてバーディー。続く317ヤードの6番パー4では、第1打でドライバーを振り抜き、ピンの右奥約1メートルにピタリ。楽々イーグルを奪うと、表情を緩めて小さくうなずいた。
来週は日本開催の米男子プロゴルフツアー、ZOZOチャンピオンシップ(21~24日、千葉・アコーディア習志野CC)にアマチュアとして初めて出場する。タッグを組むのは日体大の1学年上の先輩で、石川遼の弟・航だ。石川は今月下旬に男子ツアーの出場権をかけた予選会を控えるが、快諾してくれた。「性格もすごく似ている。(お互い)マイペースで、あんまり気にしない。来週は楽しい一週間になると思う」と胸を躍らせた。
さらに楽しみもある。ZOZOチャンピオンシップでは、21年全英オープン王者のコリン・モリカワも出場予定。全英オープン優勝時のスピーチに感動した中島は「人間力やスポーツマンシップを感じた。しゃべってみたい」と目を輝かせた。
今大会は悔しさを味わったが、中島の今後の目標は、アジアアマチュア選手権(11月3~6日、UAE・ドバイクリークゴルフ&ヨットクラブ)で優勝することだ。勝者に与えられる来年のマスターズ切符を手にし、大舞台でのプレーを夢見る。日本オープンを終え、ZOZOチャンピオンシップ、信夫杯争奪大学ゴルフ対抗戦、アジアアマと怒涛の日程を迎える。「腰が一番心配な所ではあるけど、回りながら成長できる所もある」。体と向き合いながら夢への道を進む。