世界アマ1位・中島啓太 ツアーVの「自信」胸にアジアアマ制し「マスターズ出たい」…単独インタビュー


先月開催されたZOZOチャンピオンシップで米ツアー初挑戦したアマチュアの中島啓太

先月開催されたZOZOチャンピオンシップで米ツアー初挑戦したアマチュアの中島啓太

 男子ゴルフのアジア・パシフィックアマチュア選手権は3日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ・クリークG&ヨットCで開幕する。世界アマチュアランク1位の中島啓太(21)=日体大3年=が、9月の日本男子ツアー、パナソニックオープンで5人目のアマチュア優勝後初となる単独オンラインインタビューに1日までに応じた。マスターズ王者の松山英樹(29)、金谷拓実(23)に続く日本人3人目の優勝での来年4月のマスターズ出場権獲得への思いなどを語った。

 2年ぶり4度目の舞台へ意気が上がる。中島は10月のZOZOチャンピオンシップで米ツアーデビュー(28位)も果たし、先月31日に現地入りした。

 「おそらくアジアアマは今回がラストだと思う。勝ちたい思いは一番強い大会です。松山さん、金谷さんに続いてアマチュアでマスターズに出たい」

 昨年11月に松山、金谷に続く日本男子3人目の世界アマランク1位となった。今年8月には世界一のアマに贈られる「マコーマックメダル」も受賞。22年の全米オープン、全英オープンの出場権は既に獲得した。

 「大学に入った時の目標が、世界アマランク1位とアジアアマで優勝してマスターズに出ることだった。達成していきたいですね」

 18年のアジアアマでは金谷と3打差の2位。最終日中盤まで金谷と首位に並んでいたが、終盤、突き放された。

 「悔しさは今もある。でも、あの時はまだ高校3年生で今みたいに勝ちたいとは思っていなかった」

 今大会では追う場面を想定し、攻撃的なマネジメントにも取り組んできた。パナソニックオープンで4つのパー3以外はドライバーを握り続け、最終日逆転で5人目のアマVをつかんだ。

 「ドライバーをしっかり振り切ることをテーマに取り組んだ。あの週が初めて(の試み)でしたけど、アジアアマでも行かなきゃいけない場面はあると思う。自信になりましたね」

 15年からアマチュア日本代表入り。豪州人のガース・ジョーンズヘッドコーチ(50)の指導を受けて畑岡奈紗、金谷、古江彩佳に続く教え子4人目の国内ツアーアマVの偉業を果たした。どのコースでも各ホールで真っすぐな上りのパットを打てる位置を探し、打っていくガース氏のマネジメントを全員徹底している。

 「先輩方が証明してくれたので。ジョーンズさんの教えを守っている人は結果がついてきていると思う」

 ゴルフ強豪大ではなく、1学年上の石川航や河本力を追って日体大へ進学。国際大会で経験を積んで才能を開花させてきた。

 「アマ日本代表の活動を一番に優先してくれる環境があって。上下関係が良い意味でなくて、雰囲気がすごく良いんですよ」

 初々しい21歳が、中東の地で世界最高峰の夢舞台への扉をこじ開ける。(取材・構成=榎本 友一、宮下 京香)

 ◆中島 啓太(なかじま・けいた)2000年6月24日、埼玉・加須市生まれ。21歳。6歳でゴルフを始め、東京・代々木高3年時の18年にオーストラリアアマ選手権で日本人初V。18年アジア大会個人&団体金。18年アジア・パシフィックアマ選手権2位。日体大に進み日本男子3人目の世界アマランク1位。21年の日本アマチュア選手権で優勝。21年9月のパナソニックオープンで日本ツアー史上5人目のアマ優勝。178センチ、75キロ。

 ■取材後記 攻略メモ真っ黒冷静さ変わらず

 中島の3度のアジアアマを現地取材した。17年ニュージーランド(17位)、18年シンガポール(2位)、19年中国・上海(18位)。気候やコースの特徴は異なったが、冷静で頭脳的なゴルフは変わらなかった。

 17年大会は、メモで埋め尽くされ、ほぼ真っ黒になったヤーデージブックを見せてもらい、驚いた。アマ日本代表のジョーンズ氏直伝のマネジメントを勉強。ホールごとに「グリーンとフェアウェーを6分割し、(第2打を)どこに乗せるためにどこに置くか」が細かく記されていた。18年大会は親交の深い金谷に惜敗も満面の笑みでウォーターシャワーをした人柄の良さが忘れられない。

 今年4月。松山が日本男子初メジャーVを実現したマスターズをテレビ観戦。「自分も夢をかなえたいと強く感じた」と魂を揺さぶられたという。ドバイで先輩2人に肩を並べる姿が楽しみだ。(ゴルフ担当キャップ・榎本 友一)

最新のカテゴリー記事