稲見萌寧「心が折れたのは2回」 腰痛に耐えてつかんだ賞金女王


18番、ホールアウトし、同組の青木瀬令奈(手前)と抱き合う稲見萌寧 (カメラ・馬場 秀則)

18番、ホールアウトし、同組の青木瀬令奈(手前)と抱き合う稲見萌寧 (カメラ・馬場 秀則)

◆報知新聞社後援 ▽女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 JLPGAツアー選手権リコー杯 最終日(28日、宮崎・宮崎CC=6543ヤード、パー72)

 15位から出た賞金ランク1位・稲見萌寧(都築電気)は4バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73。通算イーブンパーの9位で終えた。約1697万円差のランク2位で追った古江彩佳(富士通)は72で、6アンダーの3位タイで逆転賞金女王はならなかった。70で回った三ケ島かな(ランテック)が11アンダーで2位の小祝さくら(ニトリ)に4打差をつけ、ツアー&メジャー初優勝を飾った。

 稲見が2007年上田桃子の21歳156日に次ぐ、22歳122日での年少2位となる、初の賞金女王に輝いた。

 昨年6月から続いた約1年半のシーズンを戦い抜いた。昨年は1勝。今年はメジャーを含む8勝を挙げ、8月には東京五輪で男女通じて競技初の銀メダルを獲得した。10月からは腰痛に見舞われ、終盤は毎試合、痛み止め薬を服用し、長いシーズンを乗り切った。

 「今年で考えると、2回くらい心が折れてます」。1回は6月の宮里藍サントリーレディース。単独首位で出たが、逆転負けで2位に終わり、その後、6月末から2戦連続の予選落ち。「五輪代表も他人任せというか、自分の実力で取れる状況ではなくなってしまった」と当時を振り返った。2回目は10月のマスターズGCレディース。最終日前に「歩くのもつらい」と腰痛で棄権し、「結構ショックは大きかった」という。

 それでも、「一番の立ち直りは成績を出すこと」ときっぱり。「くじけた後に勝てているので、そこで何とか持ちこたえて、また頑張ろうという気持ちになれた。負けたり、(気持ちが)折れた時こそ練習したり、試行錯誤しながらいろいろやったりした。それを引き続きやれたのがよかった」と、自身を奮い立たせた。

 最終日後の中継インタビューで「想像以上にうまくいったことの方が多くて、結果的にすごく充実した1年だった。最後のこれ(この試合)をなしにしたら100点だと思う」などと話した。

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年7月29日、東京都生まれ。22歳。9歳でゴルフを始め、2016年にナショナルチーム入り。18年のプロテストに一発合格。19年7月のセンチュリー21レディスでツアー初優勝。正確なアイアンショットを支えに今季9勝を含む通算10勝。日本ウェルネススポーツ大に在学中。166センチ。

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