◆男子プロゴルフツアー ▽カシオワールドオープン 最終日(28日、高知・Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72)
2017年賞金王の宮里優作(41)=フリー=が賞金ランク44位から26位に滑り込み、大逆転で3年ぶり9度目となる最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(12月2日開幕・東京よみうりCC=報知新聞社主催)出場切符をつかんだ。6打差11位で出て9バーディー、ボギーなしのベストスコア63で通算17アンダーの2位。13、17年に続く日本シリーズ3勝目に挑む。初日から首位を走った堀川未来夢(28)=Wave Energy=が、19アンダーで逃げ切って2勝目を挙げた。
「シリーズ男」が3年ぶりに夢舞台に帰ってくる。宮里はショット、パットがかみ合って今季自己最少タイの63。前週から再投入した長尺パターでバーディーラッシュを演じ、ギャラリーのどよめきを呼んだ。「スタートから結構、良いパットが入ってくれた。5番で取ってからだんだん良くなった」。5番から2・5メートル、4メートル、2メートルを沈めて3連続バーディー。16番からも1メートル、5メートル、2・5メートルを沈める猛追で2位に食い込んだ。
この日のパーオン率は88・89%で全体3位。同組の小平智、池上憲士郎のショットメーカー2人と好ショットを連発して流れに乗った。17年12月の日本シリーズ以来の通算8勝目には2打及ばなかったが、今季自己最高の2位。1260万円を加算し、賞金ランクは44位から26位へ急浮上。「今日、9アンダー(63)くらいじゃないと入らないと思っていたら本当に出ちゃって。本人が一番びっくりしています」と3年ぶりの日本シリーズ切符獲得にほおを緩めた。
21年の大会優勝者と賞金ランク上位者ら30選手しか出られない最終戦のメジャー。宮里にとっては13年大会はプロ11年目で悲願の初優勝、17年は大会2勝目で史上初の選手会長賞金王に輝いた“劇空間”だ。「1年間頑張った人たちが出るところ。頑張って良かったなって、ご褒美的な試合でもあると思う。その中で良いプレーを最後までしたい。相性の良いコースだと勝手に思っているので」。18、19年には欧州ツアーでも経験を積んだ41歳が最終戦の主役に名乗りを上げた。(榎本 友一)