古江彩佳、メルセデス・ランク1位で念願の3年シード 心おきなく米挑戦


表彰式の撮影の合間に、2人でじゃれ合う(手前から)古江彩佳と稲見萌寧(カメラ・馬場 秀則)

表彰式の撮影の合間に、2人でじゃれ合う(手前から)古江彩佳と稲見萌寧(カメラ・馬場 秀則)

◆報知新聞社後援 ▽女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 JLPGAツアー選手権リコー杯 最終日(28日、宮崎・宮崎CC=6543ヤード、パー72)

 逆転女王を目指した古江彩佳(21)=富士通=は72で6アンダーの3位に終わり、初の賞金女王を逃した。悔しい結果となったが、ポイントで今季の総合的な活躍度を評価するメルセデス・ランクで1位となり、3年シードを獲得。29日に渡米し、12月2日からは来季米ツアー出場権を懸けた最終予選会(米アラバマ州)に出場する。70の三ケ島かな(25)=ランテック=が通算11アンダーでツアー&メジャー初優勝を飾った。

 古江は最後まで死力を尽くしたが、約845万円及ばなかった。「賞金女王を取るなら優勝しかないと思っていた。取れなかったのは悔しいけど、仕方ない」と無念さをにじませた。

 逆転には単独2位以上が最低条件の中、3打差2位でスタート。1番で8メートルのバーディーを奪った。前半は1つ前を回る小祝のスコアの動きもあり、単独2位と2位タイに位置した。14番で60センチのパーパットを外し、流れを手放した。10月以降3勝し、一時は約397万円差に肉薄したが、東京五輪代表争いで敗れた稲見に、またもあと一歩及ばなかった。

 それでも、積算ポイントでシーズン最優秀選手を争うメルセデス・ランク1位の座は確保した。米国挑戦に向け、どうしても欲しかった3年シードを獲得。「2つのタイトルのうち1つ取れて良かった」と安どした。

 今夏に海外メジャーのエビアン選手権(4位)、AIG全英女子オープン(20位)で上位争いし、海外志向が高まった。「行くなら今しかない。少しでも若い方がいい」。10月には、次週から8ラウンドで争われる米ツアーの最終予選会(Qスクール)の登録締め切り直前に出場を決断した。同予選会でも欧州遠征時と同じ英国人キャディーを起用すると明かした。

 今年を振り返る漢字一文字を「追」と色紙に書いた古江は、「最初悪くて、後半(秋以降)うまく追い上げた」と評価した。最終戦で得た悔しさと手応えを持ったまま、次の目標に向かって海を渡る。(岩原 正幸)

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