◆米男子プロゴルフツアー ソニー・オープン 第3日(15日、米ハワイ州ワイアラエCC=7044ヤード、パー70)
マスターズ王者の松山英樹(29)=LEXUS=が、39年ぶりに劇的な逆転Vを再現する。6差5位で出て、パットがさえて7バーディー、ボギーなしでベストスコア&大会自己最少の63をマーク。通算16アンダーで、首位のラッセル・ヘンリー(32)=米国=と2打差2位へと浮上した。1983年大会を制した青木功と同じ最終日最終組から、大会2人目の日本人V&アジア人ツアー最多に並ぶ通算8勝目に挑む。アマチュアの中島啓太(21)=日体大3年=は72で回り、7アンダーの39位に後退した。
日本男子初のメジャー覇者が、常夏の島をさらに熱気で包み込んだ。松山はパットがさえ渡り63の猛チャージ。最終18番で4メートルのバーディーパットを沈めると、喝采を浴びながら右拳を握りしめた。首位と2差に詰め寄り「このコースでこれだけ上位で回れると思っていなかったので、うれしい」と大粒の汗を拭った。
海風とハワイ特有の芝目の強いグリーンに長年、苦戦してきた。米ツアー初出場となった11年から8度出場し、20年の12位が最高成績。ツアー屈指の苦手コースだが、今年は湿って重くなったグリーンに適応。この日は後半、勝負強いパットが光り計25パット。13番で11メートルをねじ込んで伸ばすと、15番も4メートルを沈めて伸ばした。「何か不思議な感覚。明日も引き続き、良いプレーができるようにしたい」と気を引き締めた。
39年前。同じコースで青木が最終日最終組から日本男子初の米ツアー制覇を成し遂げた。「楽しみな位置で終われて良かった」と昨年10月のCJカップ最終日以来、ツアー12ラウンド連続で60台を継続中の松山も、ヘンリーとの最終日最終組に入った。抜群の安定感で、米ツアー通算8勝の崔京周(韓国)のアジア人最多勝記録に並んでみせる。
◆1983年大会(6289ヤード、パー72)の青木功の優勝 初日66で首位タイで発進し、第2日は70で5差9位へ後退。第3日は65で首位に並び、最終日最終組となった。首位のジャック・レナー(米国)に1打ビハインドで迎えた最終18番493ヤードのパー5。残り117ヤードの左ラフから、ピッチングウェッジでの第3打が1バウンドでカップイン。奇跡的な逆転イーグルで、最終日は1イーグル、5バーディー、2ボギーの67で通算20アンダー。日系人の目立つ約1万1000人の大観衆を、日本人初の米ツアー制覇で熱狂に包んだ。優勝賞金は5万8500ドル(今大会は135万ドル)。
◆松山の最終日逆転V 米ツアー7勝のうち4度が最終日逆転。17年2月のフェニックス・オープンの4打差3位からが自己最大の逆転劇。17年8月のブリヂストン招待は2打差4位で出た最終日に自己最少61をマークし、2位に5打差をつけて圧勝した。16年2月のフェニックス・オープンは3打差2位から、14年6月のメモリアル・トーナメントは2打差3位から逆転。