聖隷クリストファー出身の中日元ドラフト1位・鈴木翔太さん、次の夢はプロゴルファー


プロゴルファーに挑戦する鈴木さん

プロゴルファーに挑戦する鈴木さん

 2013年にプロ野球ドラフト会議で中日1位指名で入団した元阪神の鈴木翔太さん(26)=聖隷クリストファー高出=が、プロゴルファーを目指して奮闘中だ。右手指の血行障害など度重なるけがで昨年、8年の現役生活に終止符を打った本格右腕。新たな戦いの場としてゴルフの世界でプロ選手の夢を追いかける。

 元ドラ1右腕が、新たな道へ歩みだす。昨年限りで阪神を退団し、現役引退を決めた鈴木さんが、プロゴルファーへの転身を試みる。「ゴルフは好きだし、練習は苦にならない」。硬球をゴルフクラブに持ち替え、1日1000スイング以上振り込んでいる。

 引退した昨年12月、進路を決めかねていた鈴木さんが親交のある高崎奈央子プロ(45)から声をかけられた。「ゴルファーを目指してみたら」。聖隷高時代からトレーニングの指導を受けていた“コーチ”の言葉に背中を押された。

 「頭の片隅には(ゴルフが)あった。以前から奈央さんには冗談ぽく、早く野球辞めてゴルファーになれば、なんて言われていたので」。プロ野球入りしてからも毎年大みそかにコースを回っていた間柄。自分のことをよく知る女子プロの一言で挑戦を決意、年明けから本格的に動きだした。

 ベストスコアは76だ。恵まれた体格と高い運動能力を持つ。高崎プロがそれ以上に評価するのが「動きの操作性」だという。修正力、調整力に優れ、「体の使い方を教えると、すぐできるようになるのが翔太のすごいところ。前から向いていると思っていた」。初めてゴルフクラブを握った高校2年時には、打ちっ放しで300ヤード以上離れた民家に打ち込んだという。

 今年は選手として土台をつくる。来年のJGTOツアー予選会となるクォリファイングトーナメント(QT)を突破し、プロの大会出場を目指す予定だ。「期限を決めて30歳まではゴルフに挑戦したい」。元右腕がボールパークからカントリークラブに戦いの場を変える。

 ◆鈴木翔太(すずき・しょうた)1995年6月16日、浜北市(現浜松市浜北区)生まれ。26歳。小1から野球を始め、北浜東部中では浜松シニアに所属。聖隷クリストファー高から2013年ドラフト1位で中日に入団。14年1軍デビューし、17年に5勝をマーク。翌年、右手人さし指と中指に血行障害を発症。21年に阪神へ移籍し、1軍登板がないまま現役引退した。プロ通算24試合で5勝5敗、防御率4・41。183センチ、75キロ。右投右打。

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