◆日本男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 第1日(28日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)
プロ3年目の上田敦士(24)=フリー=が、プロ転向後の初ツアーを1イーグル、4バーディー、2ボギーの66で回り、4アンダーの5打差9位と好発進した。国立・名大の経済学部をゴルフと両立させながら6年かけて卒業。文武両道の新鋭が、自身初のツアー予選突破から上位進出を狙う。今季国内初戦となる、世界アマチュアランク1位の中島啓太(21)=日体大4年=は1アンダー38位。A・クウェイル(27)=キャロウェイゴルフ=が9アンダーで首位。
プロとして帰ってきた舞台で、上田が躍動した。スタートの1番。残り95ヤードから58度のウェッジで放ったセカンドショットが、ワンバウンドしてカップイン。「びっくりした」と本人も驚きの一打で勢いづくと、運も味方につけた。2番のティーショットは大きく右へ行ったが、木に当たりOBを免れた。結果的にバーディーを奪い「ついてましたね」。朗らかに笑った。
東海中高を経て選んだ進学先は、偏差値68の地元の名門国立大。高3秋の部活引退から「3か月めっちゃ頑張った」と指定校推薦で合格した。大学は「ゴルフしかしていなかったので、勉強が大変で」と6年かかったが今春、晴れて卒業した。
大学2年時にツアー初出場を果たし、プロ選手を決意したのもこの大会。今回は主催者推薦で20年のプロ転向後のツアーデビュー戦となり「ラッキーなことだし、やるだけ。予選通過が目標」と自然体だ。アマ時代の出場2回は、ともに予選落ち。成長した姿で“壁”を破る。(宮崎 尚行)
◆上田 敦士(うえだ・あつし)1997年6月19日、大阪府出身。24歳。ゴルフは東海中入学時から始める。東海高を経て名大進学。中部学生(16年)、中部アマチュア(18年)優勝。レギュラーツアーはアマチュア時代に3回出場し、予選通過はなし。20年8月にプロ転向。ドライバー飛距離は270~280ヤード。プロ野球の阪神ファンで、好きな選手は藤川球児氏。家族は両親と兄。166センチ、66キロ。