◆日本男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 第3日(30日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)
イーブンパー48位から出た石川遼(30)=カシオ、写真=が、自身5度目となるホールインワンなどで通算6アンダーとして5打差11位に急浮上した。1イーグル、5バーディー、1ボギーで、この日のベストスコアタイの64をマーク。今季2度目の予選突破から猛チャージを見せた10年大会王者が“大逆転V”を視界に入れ、最終日を盛り上げる。この日は降雨順延となった予選第2ラウンドと合わせて行われ、日没までに無事終了。昨年覇者の岩田寛(41)=フリー=が、通算11アンダーで単独首位に立った。
「うれしいな」 石川が千両役者ぶりを発揮した。前日に24組68人がホールアウトできず、この日の競技再開時は上位60人通過の予選ボーダー上の55位。最終的に48位の突破で10番スタートの“裏街道”だったが、話題をさらった。
スコアを3つ伸ばして迎えた7番。181ヤード、パー3のティーで8アイアンを振り抜いた。「グリーン奥にこぼすと難しい」とピン手前を狙った。ところが、想定より約4ヤード先に落ち「止まってくれ」と願うと、バウンド後に転がり、見事にカップイン。「入った瞬間は見えた。うれしいなと。ベタな答えですけど」。日本ツアーでは11年以来3度目、米ツアーも合わせると5度目の快感におどけた。
「今までのホールインワンでは一番、落ち着いていた。後が大事と思い8、9番は緊張した」。浮かれないプロ15年目を幸運の女神がさらに味方する。9番のセカンドショットはグリーン上で他選手の球に当たり、好位置でストップ。バーディー締めにつながった。
首位と差はあるが、10年大会の最終日に世界主要ツアー新記録となる58を記録し、大会最年少優勝したコース。「ワクワク感と緊張感が高まる位置。楽しみ。その中でどういうゴルフをできるか」。“持ってる男”だけに、大逆転Vもやりかねない。(宮崎 尚行)
◆石川遼のホールインワン 2010年の「アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン」第2R(3日目)の6番(187ヤード)、7アイアン(I)で初。11年の三井住友VISA太平洋マスターズ第3R(4日目)の17番(228ヤード、4I)で2年連続。米ツアーは、13年のプエルトリコオープン第3Rの8番(185ヤード、6I)、15年のクイッケンローンズナショナル第1Rの4番(178ヤード、8I)