大阪府出身の53歳、吉本隆弘が地元関西で鮮やかな逆転V 大会初制覇に「来年も出る」…全日本クラブチャンピオンズ


優勝プレートを高々と掲げて喜ぶ吉本隆弘 (カメラ・馬場 秀則)

優勝プレートを高々と掲げて喜ぶ吉本隆弘 (カメラ・馬場 秀則)

◆全日本クラブチャンピオンズ 第61回報知アマゴルフ選手権 最終日(8日、兵庫・関西ゴルフ倶楽部=7008ヤード・パー72)報知新聞社主催

 5打差6位から出た、大阪府出身の吉本隆弘(万寿GC)が6バーディー、1ボギーの67で回り、通算2アンダーで大会初優勝を飾った。初日からスコアを縮め続けて、最終日に今大会のベストスコアをマークする鮮やかな逆転V。来季から出場できるシニア競技へ弾みをつけた。昨年の日本シニアオープンをアマチュア史上最高の8位で、ベストアマを獲得した実力者の水上晃男(鷹之台CC)は逃げ切り優勝ならず、2打差2位だった。

 最終組の1つ前、2位の水上に2打差をつけて迎えた最終18番。数十センチのパーパットを沈めた吉本は、同組のメンバーから「おめでとうございます」と祝福の握手を求められた。笑顔で応じた後、待ち受けたゴルフ仲間らからはペットボトルの水によるウォーターシャワー。「冷たい! これで2位やったらどうすんねん」。最終組の水上が1ホール残していただけにフライングでの歓迎に戸惑いつつも、満面笑み。正式に優勝が決まると、「まさか。首位は(トップアマチュアで)有名な水上さんだったし、勝てないだろうと思っていた。信じられない。うれしいとしか、言いようがない」と、大会出場3度目での初優勝をかみしめた。

 初日からのスコアは74、73。スロースタートとなったが、「ショットも良かったけど、昨日くらいからパターが良くなった」とグリーンでの修正力が最終盤で生きた。前半の2、3番はともに1・5メートルにつけて連続バーディー。勢いに乗ると、9番では10メートルを沈めきった。後半は11番で2メートル、直後の12番では5メートルを決めて一気に首位へ並んだ。一時は水上に再リードされたが、15番で2・5メートルを沈め単独首位に立つと、そのまま逃げ切り。大阪府出身の53歳は「地元の関西で、普段から回っているコース。知っているぶんだけ、有利だったと思う」と謙虚に喜んだ。

 最初にゴルフクラブを握ったのは15歳ごろだが、中学、高校はサッカーに熱中した。ゴルフ場に勤務した24歳ごろから再びゴルフの世界に触れたが、本格的にのめり込んだのは35歳。競技ゴルフ歴は15年あまりで、「仕事仲間じゃない、違う職種の人とも会えることが醍醐(だいご)味」と魅力を明かした。

 現在は大阪市内で電気工事会社を経営。忙しい仕事の合間で、ゴルフが最高のリフレッシュ時間となっているようだ。今後について、吉本は「来年からシニアに出られる。関西シニアや日本シニアで頑張りたい。そのいいステップにもなった」と手応え。最後に付け加えた。「来年も出ます」。連覇を堂々、宣言した。

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