◆ジュニアゴルフ世界メジャー 世界ジュニア選手権女子9・10歳の部 第2日(13日、米カリフォルニア州サンディエゴ・シンギングヒルズゴルフリゾート=4201ヤード、パー74)
6月にジュニア欧州選手権(英国スコットランド)を制して史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)は、3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの76と崩れ、通算2アンダーで、9位から22位に後退した。首位との差は5打から13打に広がった。「言い訳は何もありません。これが現在の状態です」と弥勒は目に涙を浮かべながら話した。
この1年、世界のジュニア大会で負け知らずだった弥勒が大苦戦している。6月にはジュニア欧州選手権(英国スコットランド)で2位に12打の大差をつけて圧勝し、ジュニアメジャー5勝目。同時に史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成するなど、絶好調だったが、1か月後の戦いで暗転した。スコアの伸ばし合いになる戦いで、スコアを二つ落とし、首位との差は13打に。最終日を残して、4年ぶり3度目の優勝は絶望的になった。
キャディーを務める母・みゆきさんは「ゴルフはメンタルスポーツで勝ち続けるのは難しい競技だと聞いていましたが、最近はずっと勝ってきて、そんなことはないと思っていたのですが、今回、初めてそういったものを感じました」と悲壮感を漂わせながら話した。
これまで海外の試合には常に帯同していた父・憲一さんは今大会は日本に残り、不在。憲一さんは「この1年間、負けていない選手たちに大きな差をつけられています。かなり、調子が悪いのでしょう。電話で話すと、妻も弥勒も肉体的にもメンタル的にも疲れきっている様子でした。踏ん張って最終日を乗り切って欲しい」と祈るようにエールを送った。
今大会前にエースドライバーが破損するアクシデントが発生。急きょ、日本から代替ドライバーが届けられたが、微妙に感覚がずれるため、思い切ったスイングができずに飛距離が大幅に落ちていることも苦戦の原因のひとつとなっているようだ。
弥勒は10歳のアマチュアながら11社・団体のスポンサーを持つなど注目度抜群。「スポーツ選手は注目されてナンボの世界です」という信念を持つ弥勒は今大会の大苦戦に「批判は甘んじて受けます」と静かに話した。
米国のハイリー・キムと香港のサブリナ・ウォンが通算15アンダーで首位。日本勢では寺町美友海と本村彩歌が通算11アンダーで4位、道上稀唯が通算10アンダーで7位と健闘している。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。10歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導で成長を続けている。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。現在、ドライバーの飛距離は220ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。