古江彩佳 日本勢歴代米ツアー優勝者で最小153センチ 全英へ大きな自信「優勝できるかな」


古江彩佳

古江彩佳

◆米女子プロゴルフツアー スコットランド・オープン 最終日(7月31日、英ダンドナルド・リンクス=6494ヤード、パー72)

 9位から出た古江彩佳(22)=富士通=が、最終日自己最大4差逆転で米ツアー初優勝を遂げた。ショットとパットがかみ合って10バーディー、ボギーなしで日米通じて自己最少&大会コース最少の62。大会新記録の通算21アンダーで、日本人では99年フィリップス招待の福嶋晃子以来、23年ぶり4人目となるルーキー優勝を飾った。身長153センチは日本勢歴代優勝者最小。日本人に好相性のAIG全英女子オープン(4日開幕・英ミュアフィールド)で、日本女子4人目のメジャー制覇の偉業に挑む。

 深いバンカーが点在する海沿いのリンクスで、小柄な22歳が大きな夢をかなえた。古江は最後まで淡々と自分のプレーに徹し、10個のバーディーを奪った。新人Vに「ルーキーシーズンに勝てるとは思わなかった。リンクスで優勝できたのは、すごくうれしい」と満面の笑みでトロフィーを抱えた。

 4打差を追った最終日。正確無比なアイアンが火を噴いた。1番で2メートル半につけてバーディー発進。6番は1メートル半、7番と8番は1メートル。9番は1メートル半と次々にピンに絡めた。勢いは止まらず10番で3メートル、11番では50センチにつけ「気付いたら6連続バーディーだった」と首位ブティエに並んだ。その後も伸ばし、17番で7メートルをねじ込むと「勝利を確信した」という。

 7位の畑岡奈紗(23)=アビームコンサルティング=も「このセッティングで10アンダーは本当にすごい。ルーキーで優勝するのは簡単ではない」と舌を巻いた古江の快進撃。身長153センチは今季ツアー19大会の優勝者で最小だ。平均飛距離は246・71ヤードで135位だが、フェアウェーキープ率は82・75%で12位。今季16戦で予選落ちは2度だけ。この日もフェアウェー、パーオンを逃したのは1度ずつのみ。抜群の安定感で62のビッグスコアにつなげた。

 頼れる相棒の存在も大きい。昨年からコンビを組むマイク・スコット氏は地元英国出身。慣れないリンクスでの戦いに「フェアウェーでのボールの転がりやラインの読みに大きく助けられた」と古江は感謝した。

 メジャーの全英女子が初開催のミュアフィールドで4日に開幕する。これまで男子の全英オープンを16度開催し「18種類の風が吹く」と言われる難コースだ。スコットランド名物のバグパイプが奏でられる中、「しっかり休んで、また頑張りたい。自分のプレーに集中してできたら、今週みたいに優勝ができるかな」と古江。前哨戦で勢いづいた“小さな巨人”の目には、大きな自信が宿っていた。

 ◆古江 彩佳(ふるえ・あやか)

 ▽生まれ 2000年5月27日、兵庫・神戸市。22歳。

 ▽憧れの選手 宮里藍さん、成田美寿々。

 ▽スポーツ歴 水泳。4歳から高校まで教室に通った。

 ▽好きな歌手 浜崎あゆみ。移動の車内などでライブDVDを見ながら歌って踊る。カラオケの十八番は「BLUE BIRD」。

 ▽特技 絵を描くこと。転戦中に何十本ものペンで描く。

 ▽家族 両親。

 ▽サイズ 153センチ、54キロ。

 ▽ゴルフ歴 3歳の時に母の影響で始める。17年から2年間、アマチュア日本代表入り。兵庫・滝川二高を卒業後、19年10月の富士通レディースでツアー7人目のアマ優勝を果たしてプロ転向。20年10月のデサントレディース東海クラシックでプロ初Vなど日本ツアー7勝。昨年12月の米ツアー最終予選会を7位で突破。今年から本格参戦し、獲得賞金67万7285ドル(約8940万円)で賞金ランク21位。

 ▽メジャー成績 通算6戦に出場し、昨年7月のエビアン選手権の4位が最高。全英女子は昨年20位。今季は4月のシェブロン選手権44位、6月の全米女子オープン、同全米女子プロ選手権は予選落ち、7月のエビアン選手権19位。

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