メジャー2勝目を飾った堀川未来夢、教え子に“勝ちきる方法”伝えた「何でも答えてくれる」ゴルフ部コーチ


3番ティーショットを放つ堀川未来夢

3番ティーショットを放つ堀川未来夢

◆報知新聞社後援 ▽日本男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 日本プロ選手権 最終日(7日、静岡・グランフィールズCC=7219ヤード、パー71)

 3打差の首位で出た堀川未来夢(みくむ)が通算15アンダーで逃げ切り、ツアー通算3勝目を飾った。4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り、日大時代に練習していた思い出のコースで、同大の後輩たちが見つめる中、2019年日本ツアー選手権森ビル杯に続くメジャー2勝目をつかんだ。

 日大カラー・ピンクのウェアを着たゴルフ部員15人が、堀川がいる最終組を帯同応援した。3番パー4の第1打を右に曲げて林の崖の下に入れた際には、部員が先回りして林の中を捜索し、「ありました」と見つけてくれた。3打目を目前の木を低い弾道でくぐり抜け、グリーン手前からランニングさせて1メートルにつけると、「ナイス」と声をかけては同時に「うんめぇ」と大興奮。堀川はこの日一番の大ピンチをパーで切り抜け、流れを引き渡さなかった。18番で奥から約4メートルのバーディーパットは右に外れたが、「ナイストライ!」。最終日一番の大応援団に背中を押された堀川も「18ホール応援してくれて、本当に力になった。ありがとう」とうれしそうにキャップを外して手を振った。

 堀川は現在も日大ゴルフ部の「コーチ」という肩書きを持っている。毎年、オフの2~3月の合宿に参加しており「自分の実力が上がったのがこの4年間。和田(光司)監督に恩返ししたい気持ちと、バッグを担いでラウンドして、初心に帰ることができる」と話した。

 今年3月に行われた三島合宿では体作りのトレーニング方法、マットを敷いてアプローチの基礎などを指導。3年生の鈴木洸大さんは「アプローチは体の使い方や重心の位置を教えてもらいました。(堀川は)本当に優しい。何でも答えてくれる。すごく分かりやすい」。堀川は自身のYouTubeチャンネルでレッスンやクラブセッティングの動画を上げて、登録者数22万人の人気を集めるが、「あのYouTubeの感じのままです」と尊敬のまなざしを向けた。

 今大会前に堀川は和田監督と食事をした際、「日大は勝ちきれないのが悩み。“勝ちきる”方法を教えてくれ」と言われていたという。優勝会見で「(方法は)最後まであきらめないこと。(後続に)この人には勝てないと思わせることが大事」と話し、少し胸を張った。今月下旬に教え子たちは日本学生選手権(千葉)がある。鈴木さんは「実は明日から埼玉で合宿があるんですよ。でも堀川さんがトップだったから」と笑顔。部員たちは「堀川さん、すごい強かったです」と口をそろえた。コーチの雄姿を目の当たりにした部員たちは、一層やる気に満ちた表情だった。

最新のカテゴリー記事