馬場咲希が日本勢37年ぶりアマ世界一!服部道子以来2人目快挙に「今は帰りたくない」


馬場咲希

馬場咲希

◆米女子ゴルフ 全米女子アマチュア選手権 最終日(14日、米ワシントン州チェンバーズベイ)

 36ホールのマッチプレーによる決勝で、初出場の馬場咲希(17)=日本ウェルネス高2年=が、モネ・チャン(カナダ)を大会史上3番目の大差となる11アンド9(9ホールを残し11アップ)で下し優勝を飾った。アマ世界最高峰の大会で、日本勢では1985年の服部道子以来、37年ぶり2人目の快挙。来年のメジャー4大会の出場権を手にし、群雄割拠の女子ゴルフ界にまたも新星が誕生した。

 馬場が最後まで己を貫いた。「勝つ、勝つ、勝つ」と心で何度も唱え続けて迎えた27ホール目。4メートルのバーディーパットを沈めると長い腕に力を込めてガッツポーズ。大会史上3番目の大差となる11アンド9で日本勢37年ぶり2人目の頂点に立った。「まさか優勝できるとは。服部道子さんの次に名前を残すことができて、うれしい」と涙を流し、トロフィーを高々と掲げた。

 最初の18ホールは快進撃を支えたショットがさえ、7アップを先取。だが、後半は疲労もにじみショットが乱れ、相手に2アップ連取された。それでも「ここまで来たら勝つしかない」と気持ちは切らさなかった。22ホール目はアプローチで2メートル半に寄せ、23ホール目はグリーンを外したが、奥のカラーからチップイン。終盤6連取で決着し、終わってみれば圧勝だった。

 身長175・3センチで現在も「1年で4ミリくらい伸びている」という。5月の日本ツアー、ブリヂストンレディスでは、元世界ランク1位の宮里藍さんに米国のコース攻略の助言を受けた。6月の初メジャー、全米女子オープンは予選通過し49位。今大会で世界最高峰のアマタイトルを取り「外国にこんなコースがある、こんなグリーンがあると知った。外国人選手の飛距離やショットの精度も分かりました」とプレー面でもぐんぐん成長中だ。

 歴代優勝者には12年大会を制したメジャー2勝のリディア・コ(ニュージーランド)らが名を連ねており、世界トップ選手への登竜門。「ペブルビーチ(GL)でプレーしたい」と熱望した来年の全米女子オープンを含めたメジャー4大会の切符も得た。次戦はアマ日本代表の一員として、24日開幕の世界女子アマチーム選手権(フランス)に出場予定。「(米)ツアーに出たい。今もアメリカから帰りたくない」と、17歳は世界でさらなる夢をかなえる。

 馬場 咲希(ばば・さき)

 ▼生まれ、サイズ 2005年4月25日、東京都生まれ。17歳。長身175・3センチで「電車のつり革が邪魔」と笑う。

 ▼ゴルフ歴 5歳の時、父・哲也さんが「僕のゴルフ仲間に」と練習場に連れて行ったことを機に始める。中学2年の19年、22年の関東ジュニア優勝。国内女子ツアーは2戦に出場し、5月のブリヂストンレディス(28位)でベストアマ。8月1日付でアマチュア日本代表入り。通信制の日本ウェルネス高に在学中。得意クラブはドライバーで平均飛距離は270ヤード。

 ▼スポンサー 今年からアマ資格の規則が改定されたが、6月の全米女子オープンでは計12社の企業のサポートを受けた。

 ▼憧れ 東京五輪金メダルのネリー・コルダ(米国)。

 ▼スポーツ歴 中学時代は陸上部に所属。手足の長さから、野球部からも勧誘を受けたという。

 ▼オウンネーム 「ばばさき」からついたあだ名「手羽先」の3文字をボールに入れている。

 ▼家族構成 両親、姉、妹2人。

 ◆全米女子アマチュア選手権 1895年に創設。第1回はストロークプレーで行われ、96年以降はマッチプレー方式となった。グレース朴(韓国)、モーガン・プレッセル、ダニエル・カン(ともに米国)、リディア・コらメジャー女王を多く輩出している。今大会は132選手が参加。2日間36ホールのストロークプレーを行い、上位64選手がマッチプレーによる決勝トーナメントを実施。優勝者は金メダルとトロフィーに来年のメジャー、シェブロン選手権、全米女子オープン、AIG全英女子オープン、エビアン選手権の出場権(アマでの出場が条件)などを獲得。

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