中島啓太 アマ世界一の本領発揮!初の米ツアーで9バーディー猛チャージ 29位から一気に5位浮上


18番グリーンでイーグルパットのラインを読む中島啓太。バーディーでホールアウトし通算7アンダーの5位に浮上した(カメラ・今西 淳)

18番グリーンでイーグルパットのラインを読む中島啓太。バーディーでホールアウトし通算7アンダーの5位に浮上した(カメラ・今西 淳)

◆米男子プロゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ 第2日(14日、千葉・アコーディア習志野CC=7079ヤード、パー70)

 9月にプロ転向したルーキーの中島啓太(22)=フリー=が、通算7アンダーで、29位から日本勢トップの3打差5位に浮上した。9バーディー、2ボギーの63で回り、プロとしての米ツアーデビュー戦で日本勢6人目のVチャンスを視界にとらえた。41位から出た昨年覇者の松山英樹(30)=LEXUS=は2バーディー、1ボギーの69で回り、イーブンパーの49位に後退。リッキー・ファウラーとアンドルー・パットナム(ともに米国)が10アンダーでトップに並んだ。

 米ツアーというフィールドが、中島の気持ちを奮い立たせた。最終18番のパー5。ピン下8メートルの上りのイーグルパットは惜しくも左に切れたが、バーディー締め。「最後は入ってほしかったけど、本当にいいプレーができた。今の自分のベストのプレーをできたことは間違いない」。首位との差を3打に縮め、日本勢最上位の5位に急浮上した。

 開幕前からショットの不安を口にしていた。スタートの1番で第1打を曲げてボギー発進。ガース・ジョーンズコーチの言葉が弱気を消した。「プロになったんだから、試合を作ってこい」。最難関の505ヤードの4番で203ヤードの第2打を5アイアンでピン前4メートルにつけてスコアを戻すと、ロングパットを次々と沈め、バーディーラッシュに突入した。

 米ツアー参戦を目標に腕を磨いてきた。アマチュア時代の昨年にパナソニックオープンで優勝。アマ世界ランク1位の勲章を引っ提げ、今年9月にプロ転向した。転向後2戦は48位、26位と納得行く結果は残せていない。「PGA(米ツアー)のフィールドにいるという自覚だけを頭に入れてゴルフをしていた。集中力が本当に増していく感覚」。2度目のタッグを組んだ杉沢伸章キャディーも「プロデビューから2戦は心労もあったと思う。先週1週間休んで、心身の状態がいい」と語った。

 中島には忘れられない悔しい思い出がある。8月にアマチュア世界一に贈られる「マコーマックメダル」を2年連続で受賞したが、今年出場したメジャー3大会では全て予選落ちと壁にはね返されてきた。今年1月の米ツアー、ソニー・オープンでは2日目を終えて5位。日本人アマ初となる米ツアー制覇の快挙も視界にとらえながら、決勝ラウンドで崩れて41位に終わった。「同じ経験をしないように攻めきりたい」。中島がコースを離れたのは日が暮れかけた午後5時10分過ぎ。最後の一人になるまで練習グリーンで球を転がした。プロとして臨む米ツアー初戦。週末も強い気持ちで、3打差を追う。(高木 恵)

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