古江彩佳、大会連覇で通算4戦3勝…米女子ツアー初V後の凱旋に「自分でプレッシャーを与えた」


通算16アンダーで大会連覇を飾った古江彩佳(カメラ・小泉 洋樹)

通算16アンダーで大会連覇を飾った古江彩佳(カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー ▽富士通レディース 最終日(16日、千葉・東急セブンハンドレッドC西C=6689ヤード、パー72)

 大会主催の富士通に所属するホステスプロの古江彩佳(22)が、通算16アンダーで逃げ切り、自身初の大会連覇を飾った。3バーディー、ボギーなしの69と粘り、4度目の大会出場でアマチュアで制した19年と、21年に続く3勝目。7月のスコットランド・オープンで米女子ツアー初V後、国内凱旋試合を日米通算9勝目で飾った。双子の姉で新人の岩井明愛(あきえ、20)=ホンダ=が1打差2位と奮闘した。

 岩井明と首位に並んだ18番。古江は自身を奮い立たせた。残り174ヤードの第2打をピン手前3メートルの好機へ。最終日は30パットと苦しむも、昨年大会もバッグを担いだ森本真祐氏と「(去年のPOとラインが)似てない? フックやろ」と確認し「最後は決めるしかない」と打ち切った。18番での大会初のバーディーで勝負を決めた。「連覇も、所属させてもらっている大会で優勝できたのもうれしい」と日米9勝目をかみ締めた。

 今季から米女子ツアーに主戦場を移し、7月の初V後、国内で初の試合。朝の練習場から多くのファンが見つめ「自分でプレッシャーを与えた」と力に変えた。「(気持ちを)抑えながら攻めないと」と首位で出る難しさを感じながらも我慢。16番グリーンで、リーダーボードの1打ビハインドを確認し、1メートルに寄せるバーディーで追いついた。

 異国で磨いた新たな技を披露した。米国のコースは日本と違い、グリーン周りで「上げる球」など多様な打ち方が求められた。海外で戦うための一番の課題で、契約するブリヂストンスポーツの担当者に依頼し、クラブを開いて打ちやすいように58度ウェッジのソールを数ミリ削り、昨季と比べ50%ほどアプローチの練習量を増やした。6番はグリーン左のラフから12ヤード、「つま先下がりの左足下がり」のライから58度で1メートル半に寄せてパー。最大のピンチをしのぎ「うまくフワッとした上げる球が打てた。キーになった」と成長を示した。

 前週の米ツアーを終え、約10時間のフライトで11日午前4時に帰国。ハードな日程でも同7時にコースに入って調整した。「(米では)移動が長いので当たり前になっている」とたくましい。最終日の朝は米初優勝からルーチンとなった「さけ茶漬け」を食べて備えた。

 次週はNOBUTA GROUPマスターズGCレディース(20日~23日)でツアー史上初となる2週連続の大会連覇に挑む。「日本でのプレーは少ないけど、いいプレーを見せたい」と地元・兵庫でも成長した姿を見せる。(宮下 京香)

 ◆古江の富士通レディース

 ▽19年大会 兵庫・滝川二高卒業後にアマチュアで初出場。1打差2位で出た最終日に67で回り、通算17アンダーでツアー史上7人目のアマ優勝。

 ▽20年大会 プロ転向後の出場で2打及ばず2位。

 ▽21年大会 最終日の競技が降雨により中止。第2Rを終えて通算12アンダーで首位に並んだ勝みなみとのプレーオフを制し、1988年のツアー制施行後、史上3人目の同一大会でアマチュア&プロ優勝。

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