◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権 プロアマ(2日、兵庫・ABCGC=7217ヤード、パー72)
今季ツアー19戦目を迎える石川遼(カシオ)が、プロアマ戦後に取材対応し、今大会でプロデビュー戦を迎える、蝉川泰果(東北福祉大4年)にエールを送った。
石川は、予選ラウンドで同組となった10歳下の新星を「ものすごい高いポテンシャルを持っている時点で、恐ろしい選手だなと思います」と絶賛した。今大会でプロの扉を開く21歳に「メチャクチャドライバーがうまい印象。アイアンの球の高さもすごい。今までも注目していたが、ここからプロとしてツアーにずっと出続ける彼を見るのは注目だし、楽しみですよね」と声を弾ませた。
石川自身は15歳だったアマチュア時代の2007年のマンシングウェアオープンKSBカップで、ツアー初出場優勝。当時、史上2人目(1973年のツアー制施行後)となったアマVを契機に翌年、プロ転向を果たした。蝉川はパナソニックオープンで、史上6人目のアマV達成。さらに、メジャーの日本オープンで95年ぶりアマ2人目の優勝、アマ初のツアーV2の快挙を成し遂げた。
“鳴り物入り”の経緯は同じだが、石川は「僕は全然、今の蝉川くんほど、完成されていないゴルフ過ぎて、違う状況だった。とにかく、プロのすごさに感嘆する日々。上位のプロは、1人1人違うすごさを持って戦っているんだなと感じた」と回顧。そのうえで、「彼は年齢的にもそうだけど、僕から見るとすごく完成されている感じがあって、どんなコースでも制圧してやるという意気込みを感じる」と敬意を示した。
石川は、「あまり持ち上げすぎても、申し訳ない思いもあるが」と断りつつ、日本オープンのプレーを例に続けた。ツアー2勝目となったその大会で、蝉川はドライビングディスタンスで2位(309・13ヤード)、フェアウェーキープ率でも4位をマーク。「ただでさえ、飛んで曲がらない時代にクラブ自体がなったその中で、さらに飛んで曲がらない逸材が出てきて、それを駆使して制圧して(優勝を)成し遂げた。あれで、最終日にアンダーパーで回っていたら、手がつけられないというか。それでも崩れきらずにリードを保って勝ったというのは、メンタルの強さも感じる。なかなかできることじゃないと、正直に思う」とうなった。
さらに、尾崎将司の名前を引き合いに出し「本当に、ジャンボ(尾崎)さんが出てきたころというか。他の選手よりも平均的に20ヤードも飛んでて、曲がらなくて、難しいコースではバーディーを取っていくみたいな。すごいことですよ」と称賛は止まらなかった。
それでも、プロとなったからには年齢も関係なく、優勝を争うライバルの1人。石川は「当然、負けないと言う気持ちではずっと、これからもやっていきます。彼にとっては、ここからがゴルフ人生の新たなショー。そこで、一緒に争えればと思う」と闘志を燃やした。