日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の新人セミナーが今週、都内(13日)とオンライン形式(14~16日)で行われている。2023年入会組のティーチングプロは、ツアーでも活躍した三浦桃香ら総勢60人が参加。毎年20人の狭き門であるプロテストを合格したプロフェッショナル会員ではなく、ティーチングの会員もツアー出場権をかけた予選会(QT)を受験できていたが、近く見直される方向であることが取材で分かった。
このルールは、19年にプロテスト制度変更(JLPGAの非会員はQTに参加できないため下部ツアーにも出場できないというもの)がなされて以降、ひそかに注目されていた。数百万円という金銭面での負担はあるが、3年間の講習期間を経て、ティーチングプロの会員となり、23年末のQTからツアーへの道を探ることができる。合わせて主催者推薦でツアー出場の機会もある。
これまで単年登録で出場していた選手たちが、20年のティーチングプロ申し込みに流れた経緯もある。今回の合格者の中にも、ツアー出場を目指すために会員となった選手も一部は存在する。いわば“裏ルート”といえるものだが、現状のプロフェッショナル会員からの反発の声も実際にあがり、早ければ24年末の開催からティーチングプロによるQT受験が閉ざされるという話が浮上している。
「一緒の組で回ってスコアの差がつきすぎた場合、プレーのリズムが狂ってしまう」など、既存の会員からの声も無視できない。ティーチングプロという名前の通り、本来なら人にゴルフを教えるために教習期間を経て“免許”を取得するもの。一方、プロテストに何度も失敗した選手にとってみればツアーへの扉を開くための一筋の光明だったのかもしれない。ルールの盲点を突いた興味深い現象だったともいえるが、協会の決定は少なからず選手の今後に影響を及ぼしそうだ。