史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)が全国規模の作文コンテストで優秀賞を受賞したことが2日、分かった。全日本菓子協会主催の「お菓子のちから 作文コンテスト」に「魔法のチョコレート」というタイトルの作文を出品。約3万点の応募作品の中で、最優秀賞(1名)に次ぐ優秀賞(10名)に選ばれた。
昨年6月のジュニア欧州選手権のプレー中、キャディーを務めた母・みゆきさんからチョコレートをもらって元気になったことで、2位に14打差をつける圧勝につながったことを記した。「お母さんがくれたチョコレートは本当に魔法のチョコレートでした。作文コンテストで優秀賞をもらえて、ゴルフで優勝した時と同じくらいうれしいです」と弥勒は満面の笑みで賞状を掲げた。
父・憲一さんは「学校を休む日もありますが、休んだ日も、その分、私が教えて、しっかりと勉強をしています。目指すは文武両道です」とうなずきながら話した。
昨年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、弥勒は所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体のスポンサーを持つ。ただ、ゴルフコースを離れれば、ひとりの小学生。新年度、小学6年生になった弥勒は、作文コンテスト優秀賞の副賞としてゲットした1万円分の図書カードについて「1万円分も本を買えるなんてすごい。お兄ちゃん(桃太郎君)と弟(文殊君)と一緒に本屋さんに行きます」と素直に喜んだ。
須藤弥勒の優秀賞作品全文は以下の通り。
「魔法のチョコレート」
去年、ヨーロッパ世界選手権のゴルフの試合で、優勝した時の事です。
練習中、感じなかった緊張感が急に試合中、出てしまいました。ボギー、バーディー、ボギー、バーディーのくり返しです。パーから始まったその試合で、あっっという間に五ホール終わってしまいました。キャディーの母がバーディーを取る度に、ギュッと抱きしめてくれましたが、緊張感どころか集中力も出なかったのです。母は、ポケットから一粒のチョコレートを私の口の中に入れてくれました。
「魔法のチョコレートよ。がんばって。」
あまくて、とても美味しく、私の気持ちを緊張感から開放してくれて、全身から集中力を出す事が出来ていました。試合では、コースレコードを出す記録にもなり、会場の人達から大かん声を受けた日でした。魔法のチョコレート、今でも毎回ポケットにあります。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入りした。現在、ドライバーの飛距離は約210ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。