◆男子プロゴルフツアー ゴルフパートナー・プロアマ 第2日(19日、茨城・取手国際GC東C=6804ヤード、パー70=、同西C=6544ヤード、パー70=)
37位からスタートした丸山奨王(登録名の読みはショーン、フリー)が西Cを5バーディー、2ボギーの67で回り、通算6アンダーで26位に浮上した。ツアー通算4試合目、プロとして2戦目で初の予選通過を決めた。日米ツアー通算13勝の丸山茂樹を父に持つ22歳は、決勝ラウンドでさらに上位を目指す。
小技の名手、父・丸山茂樹をほうふつとさせるアプローチだった。スタートホールの西C10番パー4(367ヤード)。丸山奨王は第1打をグリーン右サイドまでかっ飛ばすと、残り20ヤードしかない第2打を58度のウェッジでピンピタリに寄せてバーディー発進した。流れをつかんだ奨王は2日連続で67で回り、37位から26位に浮上。ツアー初の予選通過を決めた。
「カットラインは考えずに、毎ホール、自分の課題と向き合うことに集中しました。ベストを尽くすだけでした」と落ち着いた表情でラウンドを振り返った。
18年、アマとして長嶋茂雄招待セガサミーカップでツアー初出場して84位で予選落ち。19年の同大会も92位で予選敗退。昨年8月にプロ転向し、同大会に挑んだが、やはり、65位で予選落ちを喫した。通算4試合目にして初の決勝ラウンド進出。「通過できて良かったです」とホッとした表情も見せた。
日本ツアー10勝。そして、世界最高峰の米ツアーで3勝を誇る偉大な父を持つ。プレッシャーはあるが、その境遇を受け入れ、父を尊敬している。「(父から)子どもの時からアプローチを習っています。アプローチは受け継いでいるかな、と思います」と笑顔で話した。
茂樹の盟友で、ツアー通算8勝の深堀圭一郎(フォーラムエンジニアリング)は奨王の成長を感慨深い表情で語る。
「奨王を子どもの頃から知っています。僕は親せきのおじさんという感覚かな。マル(茂樹)にも『奨王をよろしく頼む』と言われています。実は先週も奨王とこのコースで一緒に練習ラウンドをしました。やはり、おやじ譲りでアプローチはうまい。『マルか!?』と間違えそうになる時もあります。飛距離はマル以上のパワーがある。才能の塊ですよ。大きく育ってほしい」
丸山茂樹が米ツアーに本格参戦した2000年に米国ロサンゼルスで生まれた。「いつか米国に帰ってゴルフをしたい。やはり米ツアーのレベルが最高峰と思うので」と語る。「米国に行く」ではなく「米国に帰りたい」という究極の目標を持つ。
夢の実現のために足元を見つめることも忘れていない。「決勝ラウンドでは怖がらずに、いいゴルフをしたい。日々、努力して、日本ツアーで活躍できる選手になりたいです」と奨王は前向きに話した。
丸山と同組で回った日本ツアー18勝の石川遼の弟、航(フリー)は119位からスタートして67で回り、通算1アンダーまで挽回したが、79位で予選落ち。フィリピンのジュビック・パグンサン(フリー)が通算13アンダーで首位。22歳ながらツアー3勝の蟬川泰果(フリー)、22歳の学生プロ宇喜多飛翔(うきた・つばさ、大阪学院大)と2人の若手が1打差の2位に続く。
今大会はプロ2人、アマ2人の組み合わせでプレーし、プロは通常のトーナメントと同じく72ホールのストロークプレーで競う。アマチュアもプレーすることもあり、コース設定は易しく、スコアの伸ばし合いとなっている。