小祝さくらが故郷・北海道で初V「やっと地元で優勝できた」プロ7年目の歓喜 今季は「2勝目も北海道で」


通算12アンダーで優勝して笑顔でトロフィーを掲げる小祝さくら(カメラ・頓所 美代子)

通算12アンダーで優勝して笑顔でトロフィーを掲げる小祝さくら(カメラ・頓所 美代子)

◆女子プロゴルフツアー  ミネべアミツミレディス 最終日(9日、北海道・真駒内CC空沼C=6611ヤード、パー72)

 北海道・北広島市出身の小祝さくら(25)=ニトリ=が3バーディー、2ボギーの71で回って通算12アンダーで逃げ切り、悲願の地元優勝で今季初勝利を飾った。通算9勝目。今季の目標に複数回優勝を掲げ、故郷でのシーズン中の2勝目を誓った。3打差の2位は同・苫小牧市出身の菊地絵理香(34)=ミネベアミツミ=と、穴井詩(35)=ゴルフ5=だった。

 2メートル半のウィニングパットを沈めた小祝は、控えめなお辞儀で喜びを表現した。「やっと地元で優勝できた。すごく長く感じたけど、とにかくうれしい」。プロ7年目で初めてたどり着いた北海道での歓喜。4日間同組で優勝を争った同郷の菊地絵理香(苫小牧市出身)、宮沢美咲(千歳市出身)と抱き合い健闘をたたえ合った。

 4打差をつけて迎えた後半。14番パー3で1メートルのパーパットを外し、穴井詩に2打差に迫られた。「集中しよう」。自らに言い聞かせ、気合を入れて15番のティーグラウンドに立った。「集中力マックスで打った。そこから完璧なショットをたくさん打てたので、逆にどれだけ集中力なくプレーしていたのかと思った」と苦笑い。昨年から取り組んできたフェードの球筋へのこだわりを1か月前に捨てた。「すごく安定してきた」と復調の要因を挙げた。

 4年前にハワイで購入したウクレレに今年の春からはまり、ツアーに持ち歩いている。「気分転換じゃなくて、うまくなりたいというモチベーションでやっている」。ゴルフ同様、ここでも本気の勝負を挑んでいる。前週、岩井明愛(あきえ、21)と一緒に特訓したばかり。スピッツの名曲「チェリー」を2人で演奏するという目標がある。

 ゴルフでの今季の目標は、複数回優勝だ。北海道でのトーナメントはmeijiカップ(8月4~6日)、ニトリレディス(8月24~27日)、ゴルフ5レディス(9月1~3日)の3試合を残す。「2勝目も北海道で挙げられるように頑張りたい」。地元のファンの前で高らかに誓った。(高木 恵)

 ◆一人暮らし始めて自炊

 小祝は1月から都内で一人暮らしを始めた。「すごく楽しい。もう25歳になったので自立というか、いろいろと今勉強中」。そう話す表情は充実感にあふれていた。果物、乳製品、野菜など栄養のバランスを考えながら自炊する。「この前ラザニアを作ったんですけど失敗しました」と打ち明けつつ、ムニエルとハンバーグなら自信があるそうだ。

 食へのこだわりは強く、ラウンド中の千歳市出身・宮沢との会話はもっぱら北海道のコンビニ「セイコーマート」。「もっと関東にあればいいのに」。通称「セコマ」のおにぎり、から揚げ、ポテトが好物だ。ちなみにこの日の夜のお祝いメニューは「家で魚を焼くと思う」。小祝の飾らない人柄がにじんた。(高木 恵)

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