◆第12回報知シニアアマゴルフ選手権 最終日(13日、三重・阿山CC)
首位から出た雛鶴秋四郎(あきしろう、69)=南部富士=が3オーバーの75で逃げ切り、通算イーブンパーで初優勝を飾った。3打差2位に西脇正喜(62)=名神栗東=、遠藤祐也(62)=グレート仙台=が並んだ。初出場の北嶋孝司(58)=メナードCC西濃C=が、後半3番で人生初のホールインワンを達成した。
30センチのウィニングパットを決め、右拳を力強く掲げた。初日、69と年齢以下のスコアで回るエージシュートで単独首位発進し、一度もトップを譲らず3度目の出場で初V。「まさか、大きなタイトルを取れるとは思わなかった」と興奮を隠せなかった。
職場のお客さんに誘われ、37歳で競技を始めた。大きく曲がるショットが恥ずかしく仕事前、誰も居ない午前4、5時の練習場に通った。3年目で72で回るまでになったが人に教わったことはない。「いろいろな人を見て勉強して帰って練習した」。独学で引き出しの多いゴルフが強みになった。
21年岩手県アマチュア選手権では、孫ほどの年齢差がある大学生を相手に優勝。飛距離で劣っても勝てる経験値を持つが「自分がうまいと思ったことはない」と言い切る。照れくさそうに優勝ブレザーに袖を通し、見据えるのは9月の日本グランドシニア。「いいところに行きたい。優勝…そうですね」と雛鶴。向上心は尽きない。(瀬川 楓花)
◆「ゴルフ安定」松井功氏評価
阿山CCの理事長で、日本プロゴルフ協会相談役の松井功氏(81)が、今大会を総評し「2日目はピンの位置をセンターより全部後ろにしたので、初日より合計で約150ヤード長くなった。プロとして、理事長として、長い経験から、イーブンパーの優勝に納得している」と話した。優勝した雛鶴については「ゴルフが安定していた。プロの目から見てスイングもしっかりしているし、飛距離も出るし、これからもっと自信を持って強くなるのでは」とたたえた。