◆米女子プロゴルフツアー メジャー第4戦 エビアン選手権 第2日(28日、フランス・エビアンリゾートGC=6527ヤード、パー71)
【エビアン(フランス)28日=高木恵】第2ラウンド(R)が行われ、35位でスタートした畑岡奈紗(24)=アビームコンサルティング=は6バーディー、2ボギーの67と伸ばして通算5アンダーとし、悲願のメジャー優勝へ好位置での決勝R進出を確実にした。首位に3打差の6位で出た21年全米女子オープン覇者の笹生優花(22)=フリー=は69で回り、6アンダーでホールアウトした。勝みなみ(25)=明治安田生命=は69と巻き返して1オーバー。
畑岡が右の靴を脱ぎ、はだしになった。5番パー3。グリーン手前の池に消えたように見えた第1打は、奇跡的に縁に残っていた。左足は芝の上に置き、右足を水の中に入れた。ウェッジを短く持って振った第2打をピン1メートル半に寄せた。「岩がごつごつして、足つぼみたいだった。冷たかった。まさかボールがあんな所に止まっているとは。すごく大きいパーセーブ」。上位での決勝ラウンド進出が確実となり、笑みが漏れた。
“エビアンの水”につかって生み出したスーパーパーを、快進撃につなげた。「昨日よりも、パッティングで決めたい距離がうまく決まってくれた」と振り返った一日。16番で7メートル、17番で4メートルを沈める連続バーディー、上がりで一気にリーダーボードを駆け上がった。
3週前の全米女子オープンは単独首位で最終日を迎えたが、4位で初のメジャー制覇を逃した。「やっぱり悔しかった。終わってからも、もっとこうできたのかなって考える時間は多かった」。気持ちの整理に時間を要した。2018年全米女子プロ選手権、21年全米女子オープンともに、プレーオフの末に2位に終わっている。「本当に近くまで来ている感覚はある」というメジャーのタイトルを、今度こそ手に入れたい。
カヤック挑戦 全米女子オープン後の2週間のオープンウィークは日本に一時帰国。栃木県の中禅寺湖で友人と人生初のカヤックに挑戦し、気分転換を試みた。「前からやってみたいなと思っていて、やっと行けた。真っすぐ進むのが難しかった」。世界最高峰のツアーで、緊張感に包まれた日々を過ごす畑岡にとって、つかの間の心休まる時間となった。
28度目のメジャーの舞台は、好位置で週末へ。「気合は入るけど、空回りはしないように。あと2日間しっかり伸ばして頑張りたい」。経験も味方に、米ツアー6勝の実力者が頂点に挑む。