稲見萌寧が1年3か月ぶり涙の逆転V「携わってくれた人たち全員に感謝したい」…来季は国内主戦場へ


稲見萌寧は優勝インタビューで涙を見せる(カメラ・今西 淳)

稲見萌寧は優勝インタビューで涙を見せる(カメラ・今西 淳)

◆米女子プロゴルフツアー TOTOジャパンクラシック 最終日(5日、茨城・太平洋C美野里C=6598ヤード、パー72)

  2020―21年賞金女王・稲見萌寧(24)=Rakuten=が1打差3位で出て4バーディー、1ボギーの69で回り、通算22アンダーで涙の逆転優勝を飾った。昨年8月のニトリレディス以来、約1年3か月ぶりの今季初Vで通算13勝目。今季前半だけで4度のスイング改造と試行錯誤を繰り返したが、不振を乗り越えた。桑木志帆(20)=岡山御津CC=は1打及ばず2位となった。

 18番でウィニングパットを沈めた稲見は両手を高々と突き上げた。21年に8勝し、見慣れたポーズだったが、長いショットの不振を経て約1年3か月ぶりの歓喜に浸った。「今年は苦しい時期が多かった。オフからスイング改造を4回。携わってくれた人たち全員に感謝したい」と涙を流した。

 今季はコーチ4人、トレーナーは5人も代わった。6月下旬に柳橋章徳コーチ(38)とスイングを作り、実を結んだ。「アイアンの入り方、音も良くなり、これならいける」。トレーナーも7月に定まり、悩まされた腰痛がなくなり姿勢が安定した。前週から5年ぶりにパターの握りをクロスハンドから順手に変更。今大会1位だったパーオン率94%のアイアンショットをスコアにつなげた。

 米ツアーでもある今大会は、次週に米国で試合があるため、世界ランク上位10人で出場したのはキム・ヒョージュ(7位)のみ。トップ3を日本ツアー組が占め、地の利を生かした。

 今大会優勝で稲見が得た、米ツアーメンバーへの登録期限は米国時間13日だ。「選択肢が開かれた。行くかどうかはチームで決めたい」と本人は話したが、関係者によれば来季は国内を主戦場とする可能性が高い見込み。21年東京五輪銀メダリストは、自信を取り戻す価値ある1勝をつかんだ。(岩原 正幸)

最新のカテゴリー記事