
優勝を狙う今平周吾
2023年シーズンの国内男子プロゴルフツアー最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップは30日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開かれる。今年のツアー優勝者をはじめ、賞金ランク上位者ら総勢30人が出場。出場予定の9選手を連載で紹介する。第5回は今平周吾(31)=ダイヤゴルフ=。
独特のクラブへのこだわりで今季2勝を挙げた。新ドライバー「RMX VDプロト」を初投入し、臨んだ4月の今季開幕戦。「(15年発売の)前のよりもコントロールしやすいので、そこが優勝につながった」と精度の高いショットで6季連続Vを手にした。契約するヤマハの担当者も「(ヘッドが)小ぶりな感じで球をアレンジしやすい」と操作性重視の特長を語る。
今季2勝目は異例のセッティングで注目を集めた。過去に同じ60度ウェッジやパター2本のセッティングも披露した31歳はドライバーを抜き、3ウッド2本を投入。「275ヤード飛ぶ」と新発売の「RMX VDフェアウェーウッド」を入れ、林で囲まれたコース攻略に一層正確性を求めた異例のセッティングが奏功。「心に余裕があった」と4日間でボギー4つだけと安定感あるプレーで制した。
今季賞金ランク上位3人はいずれも20代だ。同3位以内には来季欧州ツアーの出場権が与えられる。賞金ランク4位は「30代の選手も頑張らないといけない。(欧州に)行きたい」と静かに闘志を燃やしている。
18、19年の賞金王も日本タイトルはまだない。日本シリーズは「毎年、コースもすごく仕上がっているので気合が入る大会」と話す。「優勝を目指していきたい」と悲願のメジャー王者へクラブセッティングにも注目だ。(富張 萌黄)
◆今平 周吾(いまひら・しゅうご)1992年10月2日、埼玉・入間市生まれ。31歳。9歳でゴルフを始め、2008年の日本ジュニアでは松山英樹との最終日最終組対決を制して優勝。高校を中退後、米IMGアカデミーで2年間武者修行。09年全米ジュニア8強。11年にプロ転向。18年は1勝、19年は2勝で2年連続賞金王。22年は自身初の2週連続優勝。165センチ、67キロ。家族は妻。
◆2000年第37回(大逆転での賞金王に) 片山晋呉(当時27)、谷口徹、佐藤信人による熾烈(しれつ)な賞金王争い。初日69で2打差5位で滑り出した片山は、2日目に67で回って3打差2位浮上。3日目にベストスコア67をたたき出して首位に立つと、最終日は68で逃げ切り、“20世紀最後の王者”に。テンガロンハットが代名詞の27歳は、この勝利で賞金ランク2位に浮上。その勢いで最終戦も制し、大逆転で賞金王初戴冠(たいかん)。最大約6504万円差があったが、土壇場で4戦3勝と驚異的な勝負強さだった。