鈴木愛の転機「ゴルフを辞めたかった」元賞金女王が永久シードに向けて再スタート


青空の下でトロフィーを掲げる鈴木愛(カメラ・今西 淳)

青空の下でトロフィーを掲げる鈴木愛(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー 明治安田レディス 最終日(10日、高知・土佐CC=6273ヤード、パー72)

 2017、19年賞金女王の鈴木愛(29)=セールスフォース=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算16アンダーで4日間大会では自身初の完全優勝を達成した。21年オフには引退も考えたという実力者は昨年8月以来の通算19勝目を挙げ、30勝で得られる過去6人しかいない永久シードに意欲を示した。小祝さくら(25)=ニトリ=ら3人が6打差の10アンダーの2位。

 鈴木が6打差で圧勝した。序盤の連続ボギーで一時は後続に2打差まで詰め寄られたが、後半に3バーディー。4日間大会では自身初の完全Vを故郷・四国で達成。好調のショット、パットに加え「19回優勝して、こんなに体力的にきつくないのは初めて」と、オフの体力トレの成果で起伏あるコースにも動じなかった。

 21年オフに「ゴルフを辞めたかった」と引退も考えたというが、当時師事したコーチらと永久シード(30勝)を目指すことを決意。今オフにはインスタグラムも開設。昨季最終戦でファンから「来年まで長く感じるなあ」と言われたのがきっかけ。新たなことにも貪欲に取り組み、ツアーで若手が台頭する流れにも「まだ負けねーぞ」と笑う。

 直近の目標だった世界ランクでの全米女子オープン(5月30日開幕、ランカスターCC)出場に近づき、「やるからには一番に」と5月に迎える30代での年間女王獲得も視野に入れる。「早く20勝目をして生涯30勝にいきたい」と充実感をにじませた。(岩原 正幸)

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