◆男子プロゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ 第2日(29日、三重・東建多度CC名古屋=7069ヤード、パー71)
降雨の影響でスタートが大幅に遅れ、91人が競技を終了できなかった。第2ラウンド(R)の残りと第3Rは30日に実施する。10度にわたりスタート時間を遅らせる異例の措置が取られる中、77位から出た2018年大会覇者の重永亜斗夢(あとむ、35)=ホームテック=が9バーディー、ノーボギーの自己最少62で回り、通算9アンダーで2打差の暫定4位に浮上した。ブレンダン・ジョーンズ(豪州)が11アンダーで同首位。初日首位発進したアマチュアの中野麟太朗(19)=早大2年=は競技を開始できず。
第2Rの競技開始は6時間以上も遅れた。スタートしたのは午後1時15分。時間はあっという間に過ぎて午後6時11分には日没。結局132人のうち91人が終了できなかった。前夜から降り続いた雨は午前中には上がったが、水浸しになったコースの整備に時間を取られた。
春の嵐の影響をモロに受けた開幕戦。雨にも風にも負けず奮闘したのが6年前の覇者・重永だ。77位から出て、さえたパッティングで自己ベストを1打更新する62で暫定4位に急浮上。4連続バーディー発進から前半のハーフ「28」はツアータイ記録。1日を終え「長かった。最後は(体力が)へばってた」と息をついた。
午前5時50分に宿泊先で最初の遅延のアナウンスを耳にした。「結局(スタートが)延びることにかけて(宿舎を)出たのが9時すぎ。早朝からコースに来ていたら、このスコアは出ていない。長丁場が短く感じた」。潰瘍性大腸炎の持病があり、22年の1年間を休養したことがある。28日深夜も「おなかをこわして、1時間トイレで格闘していた」と体力面に不安があったが、それでも暴風雨の中でスコアを伸ばす“鉄のメンタル”で乗り越えた。
大会運営は粘りに粘って72ホールを完遂できる見通しにこぎつけた。大会関係者は「ギリギリまで(第2日の開催、中止の判断を)待った。天候は回復していたが、コース状態が整わなかった中、整備が完了した。ギャラリーの方にとっても、良かったのでは」と胸をなで下ろした。
プレーできなかった91人分の第2Rが重なる30日の第3日も日没サスペンデッドが濃厚。この日プレーできなかった選手は、1日30ホール以上を回る可能性がありハードな戦いを余儀なくされそうだ。第一目標であった予選通過を確実にした重永は「(30日の)午前中はゆっくり過ごしたい」と重い足取りでコースを後にした。(岩原 正幸)