藤田さいき ツアー単独最多7度目のホールインワン「完璧でしたね」通算7勝目へ1打差4位浮上


13番で7度目のホールインワンを達成した藤田さいきは指で「7」を作って笑顔(カメラ・安藤 篤志)

13番で7度目のホールインワンを達成した藤田さいきは指で「7」を作って笑顔(カメラ・安藤 篤志)

◆女子プロゴルフツアー 富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 第2日(6日、埼玉・石坂GC=6535ヤード、パー72)

 プロ19年目で通算6勝の藤田さいき(38)=JBS=がツアー単独最多の7度目となるホールインワンを13番パー3で達成した。19位から出て、1イーグル、6バーディー、2ボギーの最少66で通算7アンダーで首位と1打差の4位に浮上。22年11月・大王製紙エリエールレディス以来の優勝を射程に捉えた。同じくベテランの上田桃子(37)=ZOZO=は69で3人が並ぶ首位を守った。

 待ち望んだ瞬間だった。150ヤードの13番パー3、藤田が8アイアンで放った高い打球はピン手前に落ち、転がってカップに吸い込まれた。「完璧でしたね。飛んでる途中、いい感じだったので『お願い入って』と。手前に落ちてポン、ポン、ツーって」。22年4月のフジサンケイレディス1R17番以来、ツアー単独最多となる7度目のエース。ツアー561試合目のベテランは「この7回目をするために2年間やってきた。ヤッター。歴代(単独)1位を夢見て頑張ってきたので、すごくうれしい」と興奮気味に話した。

 打った直後に「何かゾワゾワする」と経験者ならではの“予感”もあったという。プライベートを含めると、実に11回。中学の14歳でゴルフを始め、半年後に初めてのホールインワンを達成した。ツアーでは2007年に初めて達成してから3年刻みに6度。「今回(要したの)は2年。もう少し早いペースになるとありがたい」とおどけた。

 快挙後も、浮かれずにプレーした。「さすがに7回やっているので、バンザイして終わりです」と気持ちの切り替えも手慣れたもの。終盤に連続ボギーを喫したが、最終18番で8アイアンのショットを1メートルにつけ、バーディーで締めた。一般的には出現は10万回に1度、「狙ってできない」ともいわれるホールインワン。藤田は目の前のホールに向き合う姿勢と、7回目を意識し、確率の壁を越えた。殊勲のクラブを手に「今日はよく拭いてあげます」と報道陣の前でサービス精神全開だった。

 宮里藍さん、横峯さくらと同学年の38歳が首位と1打差4位で、最終日を迎える。首位には1学年下の上田がいる。通算7勝目へ「優勝を目指して、ホールインワン記録も伸ばしたい。どっちも頑張ります」と藤田。“持ってる女”の向上心はまだまだ尽きない。(岩原 正幸)

 ◆ホールインワン達成数 藤田が国内女子ツアー最多となる7度目のホールインワンを達成。日本女子プロゴルフ協会発足後、初めてホールインワンを達成したのは樋口久子(通算3度)。通算44勝で永久シードを保持している岡本綾子は1度のみ。日米通算24勝で、元世界ランク1位の宮里藍は日本ツアーでは達成していない(米ツアーで2度達成)。485試合に出場し、通算50勝で生涯獲得賞金1位の不動裕理もツアーではエース未達成。国内男子ツアーの最多記録も「7」。羽川豊、井戸木鴻樹の2人が達成している。

◆藤田 さいき(ふじた・さいき)1985年11月22日、静岡・沼津市生まれ。38歳。父の影響で14歳からゴルフを始める。2005年からツアー登録され、06年プロミスレディスで初優勝。同年、プロテスト合格。10年の日本女子プロ選手権でメジャー初優勝。22年、大王製紙エリエールレディスで歴代2番目となる11年35日ぶりのブランクV。通算6勝。家族は夫。168センチ、68キロ。

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